今の京都の花街は、舞妓にあこがれた女性が志願する、という事のようだ。が、昔の吉原は「売られる」というイメージがある。おとっさんが博打打ちで、借金で首がまわらなくなる・・・「文七元結」のお久、「金手本忠臣蔵」などを思うからかも知れない(笑)。
年季奉公で働く、というと聞こえがいいが、ジッサイは、子沢山で苦しい家庭が、娘を売った。そういう貧しい家の娘が、お座敷遊びの踊り音曲だけでなく、和歌や俳句などを学び、江戸の文化人と互角に渡り合う者も出てくる。3千人いた娼婦の一部としても、一日に千両が動いたと言われる吉原ならではの必要があってのシステムだったのだろうと想像。
「大・吉原展」と銘打っているだけに、地下と3階にいっぱいの資料を揃えている。特に3階は、吉原の町並を模した展示場になっていて、ちょっとした行楽気分にも浸れる。
(写真許可なのは、わずか辻村ジュサブローの松葉屋だけ)
第一会場:吉原入門
第二会場:
江戸前期 武家と豪商たちの遊興
蔦屋重三郎と吉原の出版界
錦絵美人画
後期江戸吉原 格式と大衆化
天明狂歌の世界
吉原の近代
『たけくらべ』の世界
第三会場:
市中から吉原へ
江戸町一丁目 花見 大見世
揚屋町 茶屋から妓楼へ
京町一丁目 大文字屋サロン
京町二丁目 玉菊燈籠、八朔
俄、吉原芸者、花魁の教養
江戸町二丁目 遊女のよそおい、切り見世、よそ行き、雪の吉原
仮託、後朝の別れ
第四会場:江戸風俗人形
高橋由一は油絵ならではのテクスチャーを目指した人、この「花魁」はたぶん忠実なのだが、モデルの花魁が「こんな顔じゃない〜」と泣いて抗議したそうだ(笑)。それと比べると、パリで肖像画のなんたるかを知ってる黒田清輝の「芸妓」はそつがない(共に重文)。
吉原の社会的システムから、文化的な紹介、有名芸妓の残した作品まで、全方位に展示されていてみあきないのだが、抜けているとしたら落語では〜。落語は、悲惨と紙一重の現実をを笑いで包んで、吉原や花魁の裏表は伝えてくれる。
そこで、いわゆる郭噺、思いつくままのベスト5を(明日は順位が変わる程度の〜)
1)明烏 ・・・純情な若旦那が吉原にはまってしまう〜
2)品川心中 ・・・客と心中をするが、その顛末は〜
3)お見立て ・・・客を手玉に取ったつもりの花魁が、実は〜
4)紺屋高雄(幾代餅も)・・・純情な客に花魁がほだされて〜
5)三枚起請 ・・・客と花魁のかけひき、この手の噺多し〜
居残り佐平次/付き馬/幇間の灸 ・・・etc
後半は展示が変わるそうなので、余裕あったらもう一度行くつもり〜
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