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2024年04月25日20:58

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老残!小林よしのり/『あらくれ』

存在を忘れていた小林よしのりが炎上している。鳥山明先生の訃報を笑い者にした上に、「戦争漫画家の鳥山明が受勲して、平和漫画家の手塚治虫はしていない。日本は平和国家ではない」と例によって三段跳び異次元論法で恥を上塗りした。
あまりに幼稚で反論の必要もないが、いちおう。
なぜバトル漫画家が戦争主義なんだ。フィクションの闘争・破壊は平和な環境でこそ生まれる。闘争本能を昇華する効能さえあると思う。憲法で不戦を誓った日本人が世界に誇る「ゴジラ」と「ウルトラマン」を生み出したのは、決して偶然ではない。だいたい鳥山明はバトル専門ではない。Dr.スランプの大ヒットを知らんのか。
手塚治虫にも「白いパイロット」「ノーマン」「ミクロイドS」といったバトル要素の強い作品はある。巨匠たちを二項対立のように図式化するなんて、身のほど知らずもいいとこだ。小林なんか、才能の宝箱のような日本漫画界ではベスト100にも入らない。1000でも怪しい。ベスト5000ならケツの方に入るかもしれない。
漫画で政治や歴史を語ったのが斬新だって?
そんなわけあるか。漫画の源流のひとつは、欧州の新聞に載った風刺画だ。18世紀ごろからある。小林の時事放談は、新発明ではなく単なる先祖帰りです。

『あらくれ』(57) 監督:成瀬己喜男
高峰秀子が暴れまわるバイオレンス女性映画である。
男1号・上原謙と妊娠中に格闘して階段から落ちて流産し、別れる。男2号・森雅之は温泉宿の主人で、優しさに惚れ込むが、彼には妻子がいた。米問屋のスケベな旦那役で志村喬が出演している。
男3号・加東大介と洋品店を始める。怠ける亭主に水をぶっかけてお仕置きする。1号を取り合ったことのある女が3号を引き込んだ現場に踏み込み、女同士のバトルを展開する。爆笑した。女の殴りあいて、何かユーモラスなんだよな。ゾラの「女の一生」に出てくる洗濯場の尻叩きは半世紀前に読んだのに、今も思い出す。
最後は新米職人・仲代達矢が男4号になるか?というところで終わる。

女性映画らしからぬタイトルだが、本作にはこれ以外にない。男尊女卑の大正時代に意地を貫くヒロインは痛快きわまりない。
★★★★
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