今日は日記を書くのをやめよう、書き留めたいようなこともないし、と思いながら、自室のMacbookProを起ち上げた途端、「ドーン」という腹に響くような音が聞こえた。私は戦争を知らない子どもたちであるが、まるで爆弾が落ちたような轟音だ。1秒おきにドーン、ドカーン、オカンと音がこだまする。
Macで今日の日付と花火で検索してみたら、逗子海岸の花火大会らしい。掛け時計を見ると、午後7時半を少し回ったところだった。
私くらいの年齢になると、花火が上がる音を聞いているだけで種類がわかる。
おっ、いきなり牡丹か。火の粉が花びらのように尾を引いて落ちていくのが見える。
ドーン、パチパチパチ…、しだれ柳だな。カップルの女の子が彼氏の肩に首を持たせ掛けて「き・れ・い」と囁くアレだ。
ドカーンドカーンドカーン、早くもスターマインが登場だぁ! ガキたちの嬌声が6キロ離れたわが家にまで聞こえてくる。おまえたち、決してウヨク色に染まるんじゃないぞ。
まあこんな風に10分ほど花火を脳内上映したのち、夕刊を手に取った。
一面トップが「軽減税率前に大行列 アップルストア、タピオカミルクを客にサービス」という記事。アップルストアの銀座、渋谷、表参道店は、増税前の駆け込み需要で客が押し寄せ、行列は一時2キロに及んだという。9月末にしては気温が上昇したため、アップルは行列客に「タピオカミルク」を無料で配ったそうだ。
ヨハネス鈴木(デジタル評論家)さんのコメントが面白い。
「アップルティーではなくタピオカミルクをチョイスした点で、アップル社の流行に対するセンシビリティがいかんなく発揮されています。まさにアップルとユーザーの戦略的互恵関係を象徴しているのではないでしょうか」
一面の下部に「心のきれいな人しか見えない絵本〜セロ弾きパンダ」という本の全2段広告が載っていた。シリーズタイトルなのかサブタイトルなのかわからないが、心がきれいな人には見えて、汚れている人にはまったく見えない絵本、とのこと。
NHKあさイチ、日経新聞で大絶賛、堂々7万部突破、とあるので、結構知られている本なのだろう。私は今、初めて知った。
宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」となんか繋がりでもあるのだろうか?
増税前のこの週末、本屋に行ってセロ弾きパンダを手に取って、もし見えたら買ってみるつもりでいる。
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