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2017年06月19日07:00

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三十三間堂さんの雷神像

今日のカットは、京都三十三間堂さん(蓮華王院本堂)の雷神像です。
動物と似顔絵が専門と思われたら大変なので、久々の仏像です(笑)。

堂内の1001躯の千手観音とその前の二十八部衆、さらに両脇の風神、雷神像の光景は壮観です。
よくもまァ、これだけ揃えたものと感心します。
創建したのは後白河上皇ですが、その財源を支えたのは平清盛です。
今の価値で言えば、一体どれぐらいの予算が必要だったのでしょうか。気が遠くなるほどの金額になるでしょう。
現在拝観している仏像は、ほとんどが鎌倉時代に造られたもので、慶派、円派、院派の仏師が力を合わせたコラボの作品軍です。
実際には、それぞれの派の意地もあったでしょうから、他所よりも素晴らしいものにすべく、各派とも必死で制作したものと推測します。
なお、建仁寺が所蔵(京都国立博物館寄託)する俵屋宗達が描いた風神雷神図屏風はこの像をモデルにしたとされます。
実在しないものを描くのは、俵屋宗達をもってしても大変で、モデルを参考にしたわけです。
では、この雷神像のモデルはあったのでしょうか。
中国の敦煌莫高窟の壁画に「風神・雷神」が描がかれているそうですが、鎌倉時代の仏師が見た可能性はゼロに近いと思います。
「千手陀羅尼経」の中に顕れる「水雷火電」の文字から空想して創意したとの説があります。
いずれにしても、ゼロからのデザイン、それも3次元のものを創作するとなると、人並外れた想像力と苦心があったはず、さらに具現化する能力・テクニックが必要です。仏師の創造能力に敬服します。

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