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2014年07月12日19:43

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ロケットガール最終巻と盤上遊技

東京往復の新幹線車中で読んだ本です。

・魔法使いとランデヴー ロケットガール4 作:野尻抱介
最終巻だが、締めくくりらしい内容ではない。四篇入り短編集。
三人娘がサンタ衣装で児童施設を訪問する。ヒロインの叱咤が小気味いい。
「女子高生対聖戦士」ではテロリストと対決する。もちろん流血なし。現実がこのように行けば、どんなに世界が平和なことか。表題作は「あかつき」(作中では「はちどり」)救出ミッションである。成層圏突入をこんな方法でコントロールできるとは気づかなかった。野尻作品は、久しく忘れていた科学のワクワク感を思い出させてくれる。軽快で楽しく魅力的な世界観ではあるが、本書でやや腹いっぱいな感じ。
全四冊はちょうど良い分量なのでは。表紙がエロい(笑)。★★★★

・盤上の夜 作:宮内悠介
盤上遊技をテーマとした短編集だ。勝負師の世界には惹きつけられるものがあるので大いに期待したが、うーむ・・・微妙だ。
冒頭の作品は、四肢欠損の女性棋士が登場する。彼女は中国で四肢を切断され、奴隷にされたのだ。プロのくせにこんなベタな都市伝説をネタにするなよ、恥ずかしい。女性旅行者が海外で奴隷にされる可能性は、ほとんど有りえないが皆無ではない。が、なぜダルマにするんだ?ダルマフェチなんて物凄くレアだぞ。というか、四肢同時切断て、どれほどのダメージかわかってるのか。ふつう死ぬぞ。単純なレイプ殺人ならともかく、日本人が中国でこんな目に合う可能性はゼロだ。だって性奴隷が必要なら、貧困層や少数民族からいくらでも調達できるもの。わざわざ面倒くさい日本人なんか、誰が狙うかよ。

二番目のチェッカーの話は、けっこう読ませる。完全解が出てしまったゲームの名人は、何を支えにすればよいのだろう。麻雀の話は、プロ雀士のキャラクターが面白い。ほかに囲碁・将棋・古代チェスなどが登場する。道を究めると神というか悪魔の領域に近づくという主張は理解できるが、どうもコケ脅し臭く、同感できない。なぜ本書が高評価を受けたのか不思議だ。★★

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