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2023年08月09日21:05

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8/8 ソール・ライターの原点 ニューヨークの色@ヒカリエホールA

ソール・ライターの写真展は過去2回あり、2回とも行っている。今でもフィルムが続々見つかり、アーカイブ化を進めているから、未公開・初出展をを加えての展覧会ができるのだろう。
前2回は、Bunkamuraザ・ミュージアムであったが、取り壊しとなった今は渋谷ヒカリエホールでの開催だ。いわゆる美術館でない場所での開催。井の頭線利用で渋谷に出る私には工事中の階段を2度も使わなければならない不便さからあまり行きたくない場所だが、ありがたいことに友人がまたチケットをくれた。好きなソール・ライターに行かない理由が見つからない。

1回目2017年「ニューヨークが生んだ伝説 写真家ソール・ライター展」の日記はこちら。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1960860208&owner_id=2083345

「浮世絵を彷彿とさせる独特で大胆な視点の構図。色の効果、配置、分量、形などを含む独自の色彩感覚。ガラスや鏡の映り込みを利用して一瞬の動きを捉える方法、身近な被写体への親近感や移ろいゆくものへの細やかな愛情、全てが写真を撮る上で参考になる。」と素直な感想を述べている。

2回目2020年「永遠のソール・ライター」の日記はこちら
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1974666626&owner_id=2083345

ソール・ライター風写真の撮り方と称してBunkamuraが一般公募を募っていた記憶が。
「日曜美術館では、ソールの写真の特徴は「ガラス」「ポイントカラー」「1/3構図」の3点だという。モチーフに傘や雨粒、水滴、雪を用い、ガラスの映り込みを使って、画面の1/3のところに見せたいものを凝縮させて、差し色を入れれば、ソール風の出来上がり。特に赤の差し色は効果的だ。」と日記にある。私は、「雪の中の赤い傘」の写真群から、川瀬巴水の新版画を連想したり。
さらに、2度目は、ソールの絵にも着目。絵にも虜。それもそのはず、私の好きなナビ派やマティスの影響を受けている。
モデルとなった、妹デボラとパートナーのソームズの写真にも言及、濃い内容だった。

さて、今年は…。
大ホールを生かした展示で十分楽しめた。
なかでも、10面の大型スクリーンに次々と映し出す「カラースライド・プロジェクション」は圧巻。大きなソファーに腰を下ろしていつまでも見ていたいような気分になる。
彼が実際にアトリエでやっていたというカラースライド投影を、アトリエをそっくり再現して見せるという粋な演出も。ソールのパートナーだったゾームスの気分になれる。
対極に小さけれど、ポジフィルムの展示は、写真好きとしてはたまらない、美しく、かぶりつきで見てしまった、単眼鏡を持ってくれば良かったなぁ。
個人的には、絵と写真を混ぜて並べたコーナーが一番好きで、「絵を描いていなければ、もっと良い写真家になれたかもしれない。写真を撮って時間を無駄にしなければ、もっと良い画家になれたかもしれない、と考える時がある。結局、どちらもやってしまった。」とライターは言っているが、美しい色彩とその絶妙な配色、構図は、写真と絵画双方に良く作用していて、写真と絵画の垣根を越えていると思った。

写真撮影は全て可。
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https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/23_saulleiter/information.html
Bunkamura ザ・ミュージアムでは、2017年と20年に2回にわたってソール・ライター展を開催。それまで日本ではほぼ無名だった写真家の名前を一気に知らしめ、大きな反響を呼び起こした。
ライターが2013年に逝去した翌年、その膨大な作品を整理するための財団が創設され、アーカイヴをデータベース化する「スライド・プロジェクト」が始動。業績の全貌が明らかになるには十数年の歳月が必要とされており、没後にも関わらず、つねに新たな発見が続けられている。
本展では、新たに発掘された作品による大規模なカラースライド・プロジェクションや未公開のモノクロ写真、絵画など最新作品群を含む400点以上の作品を紹介。これまで紹介していなかったライターの知られざる素顔と、「カラー写真のパイオニア」と称され世界中を驚かせ続ける色彩感覚の源泉に迫る。
1946年、ライターは画家を志して、当時、芸術の新たな中心地であるニューヨークへと向かった。現地で意欲的な若い芸術家たちと交流するなか、写真の表現メディアとしての可能性に目覚め、絵筆とともにカメラで自分の世界を追求していくようになった。
本展では、ライターが写真に取り組みはじめた 1950〜60年代頃のモノクロによる未発表のスナップ写真作品群や、アンディ・ウォーホル、ロバート・ラウシェンバーグ、ユージン・スミスなど、当時交流のあったアーティストたちのポートレート、そして1958年から60年代の『ハーパーズ・バザー』におけるソール・ライターのファッション写真を一堂に公開する。 また、カラースライドの複製を多数展示するほか、会場2ヶ所ではプロジェクションを介してそのカラー写真も紹介。ひとつ目は、ライター自身が自宅でカラー写真を映写していた壁面サ イズでの代表作「Early Color」の作品群の投影であり、類まれなカラー写真でふたたび脚光を浴びることになったライターの名作を振り返る。
もうひとつは、ヒカリエホールの大空間を利用した10面の大型スクリーンによる大規模プロジェクションだ。2020年以降に発見されたカラースライドを含む最新の作品群約250点を投影し、ライターの卓越した色彩感覚を検証する。
なお、写真だけでなく、ライターにとって生きる原動力でもあった絵画作品も展示。印象派や日本の浮世絵の影響が見られ、独特な色彩感覚で描かれた絵画作品は、ライターが唯一無二のカラー写真の世界をつくり上げることができた秘密を解き明かす鍵となるだろう。
また、会場では、ライターが60年間住み続け、現在も膨大な作品と資料が息づくニューヨークにあるアトリエの一部をヒカリエホールの空間に再現。つねに新たな発見や感動を与えるライターの創作を通覧できる機会をお見逃しなく。


ニューヨーク1950〜60年代
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写真の多くは、ライター自身のプリント、つまりオリジナルプリントだという、これは嬉しい!
ストリート
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アーティスト
ジョン・ケージフォト
アンディ・ウォーホルフォト
デ・クーニングフォト
ダイアン・アーバスフォト
ユージン・スミスフォト
アンリ・カルティエ=ブレッソンフォト
マルセル・デュシャンフォト
なんと、刺激的な人たちばかりだろう。


ソール・ライターとファッション写真
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独特の抒情性を生み出す光の捉え方、モデルが気を抜いた瞬間を捉える覗き見的手法、ガラスや鏡を利用した独自の構図。おしゃれだ。
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カラーの源泉ー画家ソール・ライター
絵と写真が隣り合っていてもなんの違和感もない。私が最も好きなコーナー。
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終の棲家
1952年に移り住んでから60年近く住んだアトリエ兼アパートを遺品と共に再現。壁には『Early Color』からセレクトした作品を投影。これは実際ソール・ライターがここでカラースライドを鑑賞したことに基づく。
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ソール・ライター財団の「スライド・プロジェクト」
丸いライトボックスに置かれたポジフィルム。なんと嬉しい展示!
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カラースライド・プロジェクション
遺されたスライドは数万点にも及ぶと言われている。生前プリントしたのはそのうちほんの280点だったそうだ。ここでは、これまでに発掘されアーカイブ化された約1万1千点のスライドから約250点を大型スクリーンに投影。圧巻だった。
カラー写真が美術的に無価値だと思われていた時代に、ライターは画家の目を持って色彩のイメージの豊かさ、素晴らしさを体現してくれていた。
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8月23日まで

アルバムには他の写真もありますので良かったらどうぞ。
https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000120835384&owner_id=2083345


いただいたチケット(株主優待券)では、同時開催の「平間至展 写真のうた」も見られました(一部写真撮影可)。
こちらは、昨年富士フィルムスクエアで開催された展覧会↓の再構成のような感じ。でもその後に、高橋幸宏氏も坂本龍一氏も亡くなってしまったなぁ。https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1982679998&owner_id=2083345
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