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2024年05月22日20:29

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5/19 法然と極楽浄土@東京国立博物館平成館

自分の実家も夫の実家も浄土真宗なので「南無阿弥陀仏を唱えれば良い」ということは聞かされてきたが、ハテ、親鸞の師・法然の話はよく知らないし、そもそも浄土宗って??となっている知識なしの情けなさ。

地味そうな展覧会だなーと後回しにしたら、国宝の《阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)》↓も《綴織當麻曼荼羅》の展示期間が終わっていた。それでも、猫登場の涅槃図、涅槃像はどうしてもみたいので、出かけていく。
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2月「光悦の大宇宙」展以来の東博。東洋館の前でお弁当を食べていたら雀がやってきた。
鳩のような馴れ馴れしさにびっくり。
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そして、いつものようにソフトクリームタイム。


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上野公園は相変わらずすごい人だったが、東博はいつもより空いている感じがした。日美で本展を特集放映していたが、出かけてしまったので視聴せず。
写真撮影はいつものように不可だが、最後の《仏涅槃群像@法然寺》のみ撮影可。「仏涅槃」は1枚絵に描かれ掛軸になっているのが普通だが、香川・法然寺のは、塑像。しかも大きい。しかも、猫がいる。これは嬉しいね。
また、大好きな狩野一信《五百羅漢図》100幅のうち2回入れ替えで12幅ずつ展示という。これも楽しみだった。
が、どちらも最後なので、気力配分を考えないとならない。存外に面白かったため、前半でもかなり集中して、全部に終わったて2時間45分。本館所蔵品展を見る力なく、動物園・科博との連携企画「よりそう動物たち」だけみて帰宅。
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https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2629
https://tsumugu.yomiuri.co.jp/honen2024-25/
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平安時代末期、繰り返される内乱や災害・疫病の頻発によって世は乱れ、人々は疲弊していました。比叡山で学び、中国唐代の阿弥陀仏信仰者である善導(ぜんどう、613〜681)の教えに接した法然(法然房源空、ほうねんぼうげんくう、1133〜1212)は、承安5年(1175)、阿弥陀仏の名号を称えることによって誰もが等しく阿弥陀仏に救われ、極楽浄土に往生することを説き、浄土宗を開きました。その教えは貴族から庶民に至るまで多くの人々に支持され、現代に至るまで連綿と受け継がれています。
本展は、令和6年(2024)に浄土宗開宗850年を迎えることを機に、法然による浄土宗の立教開宗から、弟子たちによる諸派の創設と教義の確立、徳川将軍家の帰依(きえ)によって大きく発展を遂げるまでの、浄土宗850年におよぶ歴史を、全国の浄土宗諸寺院等が所蔵する国宝、重要文化財を含む貴重な名宝によってたどるものです。困難な時代に分け隔てなく万人の救済を目指した法然と門弟たちの生き方や、大切に守り伝えられてきた文化財にふれていただく貴重な機会です。


第1章 法然とその時代
最初の章では、法然上人像や法然上人絵伝などが展示され、法然その人の生涯が示される。
目の前で父が殺されたのが9歳、程なく仏門にはいり、比叡山で修行、43歳の時に唐僧・善導の教えから念仏を唱えれば誰もが救われると「専修(せんじゅ)念仏」を進めた。
法然の教えは徐々に広まったが、既存の仏教界からは念仏を止めるよう強く求められ、ついには75歳の時讃岐国へ配流されてしまう。この時高弟親鸞(のちに浄土真宗を開く)は越後へ配流。やがて帰郷するが、釈迦と同じ年齢80歳で入滅する。

この日の展示では、塑像が百萬遍知恩院のと新知恩院の2軀。頭頂部が平らで目鼻が小さいので威圧的なお顔ではない。百萬遍知恩院の像には、布製の墨染袈裟を着せている。いつも新しい袈裟を着せられて、もう何百年も大事にされてきた証拠だろう。

国宝の《法然上人絵伝@知恩院》はなんと48巻あるそうで、こちらも場面替え。画像は前期展示の場面かな。

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「法然上人絵伝」と名がつくものは他に後期だけでも當麻寺奥院、増上寺、東博、妙定院、西導寺のものが展示、断簡もまたあり、いかに法然さんが人々に親しまれ慕われていたかがわかるというもの。


滋賀・新知恩院に伝わる《仏涅槃像》鎌倉時代は、10cmと小さいが、胸のところが水晶でできていて透けている。珍しい。
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京都・金戒光明寺 江戸時代《法然上人涅槃図》も珍しい。(画像がこういうのしか見当たらなかったが。)仏涅槃図と同じスタイルの涅槃だが、周りに囲むは墨染の衣を着た弟子140名、一般の人?は8名、動物たちは少なく、猿、狐、犬、蝉、蝶、蜻蛉それに猫!法然さんが生前愛していた者たちかな。
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京都・清涼寺《熊谷直実自筆誓願状》も興味深い。あの敦盛の首を獲った武士だが、出家して法然の門徒となる。上品上生への誓願。筆の勢いがすごい。

京都・清涼寺《迎接曼荼羅図(副本)》
後期は副本で、鎌倉時代に描かれた正本を南北朝時代に模写したもの。法然が熊谷直実に与えたものらしい。来迎の阿弥陀三尊以外にたくさんの化仏菩薩が描かれている。
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香雪美術館《二河白道図》鎌倉時代
怒りを象徴する火の河と、執着を象徴する水の河に挟まれても、阿弥陀如来を信じる白い一筋の道があれば、極楽浄土に行くことが出来るということを示す。上方が極楽浄土で、火と水の河の間の白い道の先には、阿弥陀三尊が待つ。下は現世で、渡る人や動物が列をなして渡る順番を待っている。人の大きさから察するに白い道は平均台くらいの幅ではないだろうか。細いなぁ。落ちないように、南無阿弥陀仏。
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第2章 阿弥陀仏の世界


法然の臨終仏である知恩院《阿弥陀如来立像》と1周忌に作られた浄土宗所蔵《阿弥陀如来立像》(画像↓)を見ることができた。前者は定朝様式、後者は慶派の有力仏師作だという。
法然自身は専修念仏が大切で、造寺造像には消極的だったとか。
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當麻寺《菩薩面》鎌倉時代・室町時代
迎講、来迎会に使用する面。これらは、修理・新造を繰り返しながら平成16年まで使用していたという。迎講、来迎会があるのは、奈良・當麻寺、岡山・誕生寺、それと東京・九品仏浄真寺で、私は昔九品仏浄真寺の来迎会(お面かぶり)に行ったことがある。本堂と上品堂の間に渡された橋を菩薩の面をかぶった僧侶らが渡り、散華するのだ。お面は大きくてちょっとユーモラスに見えたけれど、とても厳かな儀式だった。
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第3章 法然の弟子たちと法脈
九州(鎮西)を拠点に教えを広めていった聖光の一派である鎮西派は、その弟子良忠が鎌倉を拠点として宗勢を拡大。一方、証空を祖とする一派である西山派は、京都を拠点に活動。

當麻寺《當麻曼陀羅図(貞享本)》青木良慶、宗慶筆・江戸時代
残念ながら、国宝《綴織當麻曼陀羅図》の方は見られなかったが、こちらの鮮やかな方で堪能。大きくて、細密で、煌びやか。思わずため息がでる。
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鎌倉・光明寺《当麻曼荼羅縁起絵巻》鎌倉時代
観音の化身である女が現れ、曼荼羅を織りあげ、雲に乗って去る場面。料紙を縦に使って大画面!
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第4章 江戸時代の浄土宗
聖冏が常陸国で関東浄土宗の礎を築き、聖聡が江戸に増上寺を開くと、その弟子たちは体系化された浄土宗の教義を全国へ普及。その流れは三河において松平氏による浄土宗への帰依へとつながり、末裔の徳川家康が増上寺を江戸の菩提所、知恩院を京都の菩提所と定めたことにより、教団の地位は確固たるものになった。

京都・知恩院《八天像》のうち4躯 江戸時代
八角輪蔵の下層部に配される八天像。輪蔵の回転方向に向かって手押しするような躍動感がある。正面から風を受け衣が靡いている。
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その輪蔵に収められたのが、展示と同じ《大蔵経》か。宋版、元版、高麗版ととてつもない量と印刷技術の高さ。

祐天筆・祐天寺《六字名号》江戸時代 
日蓮さんの髭題目は有名だが、祐天さんのこの文字もまたデザイン的。母の実家が祐天寺駅近くにもあったが、お寺には行ったことがないなぁ。
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この章でのお楽しみは二つ。

まずは狩野一信筆・増上寺《五百羅漢図》
100幅のうち前後期合わせて24幅。
後期展示は、17・18「剃度」、27・28「六道鬼趣」、57・58「神通」、69・70「禽獣」、79・80「堂伽藍」、83・84「七難 風」の12幅。
《五百羅漢図》は、増上寺や江戸博、サントリー美術館で、それに縮小版を東博で見たことがあり、初見のものもそうでないものも(うろ覚え・汗)。展示ケースが浅くて間近でじっくり見られて面白かった。とにかく描き込みがすごいので見飽きない。特に「禽獣」は、多分初見?、白擇や唐獅子と羅漢さんの絡みが面白かった。全部ズラーッと並べて鑑賞できる機会がありますように。
画像は「神通」
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最後は、香川・法然寺《仏涅槃群像》江戸時代
お釈迦様含めて82躯あるなかの1/3の26軀展示。お釈迦様は身長282cmというから大きいが、他はだいたい等身大かな。堂内では、雲の上に乗った摩耶夫人も天井から吊るされているというから、堂内全体が立体涅槃図なのだろう。涅槃図に自ら入り込んだ心持ちになるので、お釈迦様の教えが一般の人にも届きやすいという効果があるかも。
それにしても嘆く仏、人、動物が生き生きと作られている。中には明治時代に追加された像もあるという。
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コウモリは伏せて嘆き悲しんでいるね。

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猫もいる!

猫だけそっぽを向いているのは、学芸員さんの遊び心だと思おう。猫は気まぐれと言われるけれど、他の動物と同じように信心深いはずだから。

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6月9日まで。
展示は一部8回の展示替えがある模様。

時間も体力・気力もなくなったので、本館特別室2の「よりそう動物たち」展と「近代の美術」だけ見て帰宅。アルバムを見てくださいね!
https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000121172716&owner_id=2083345

https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2654
東京国立博物館は、恩賜上野動物園と国立科学博物館とともに、毎年動物にちなんだ共通のテーマで「上野の山で動物めぐり」という連携企画に取り組んでいます。当館では、テーマに沿って、動物をあらわした作品を家族で楽しむ展示企画「親と子のギャラリー」を開催しています。今年のテーマは、「家族、仲間」です。
私たちは、毎日の大半の時間を家族や友達、仕事の仲間といった集団のなかですごしています。一人ですごす時間が長い人も、ふとした瞬間にきずなを感じたり、目には見えない確かなつながりに感謝したりすることがあるのではないでしょうか。
では、動物たちはどうでしょうか。つねに群れて集団でくらすものもいれば、うまれて間もなく集団を離れてくらすものなど、さまざまな生態があります。
この展示では、私たちヒトも含めた動物の多様な「家族、仲間」の様子について、当館の所蔵作品から注目してみたいと思います。また連携企画として、動物園の解説員、科学博物館の研究員の方の協力を得て、特別解説パネルと動画もご紹介しています。ぜひ、皆さんの大切なご家族、仲間と一緒に展示をお楽しみください。


アルバムあります
https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000121172716&owner_id=2083345
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