朝ドラ　スカーレットについて。

職場の皆で観ているスカーレット、
まるひと月放映されたが、
昼、塩尻方面へ出ているときもあって、見逃しが三分の一はあった

昨日の夕方より、ネットで初回から観直したんよ
正味１０分×３０回。
まあまるまるではないにしろ、３時間以上魅入ってた


ヒロインきみ子が、
住み込みで女中をしている先の住人、新聞記者ちや子と
部屋で座り込んで話すシーンがいい
ちや子の、きみ子の言葉に聞き入る瞳が好きだ
おれは昭和の終わり〜平成初めに流行った、
あのトレンデイドラマというものにからだが受け付けなかったが、
今ドラマ、ダサい靴下とモンペ姿で話し込むちや子ときみ子は、
あれとは真逆の世界だろう

物に満たされ、時間を持て余し、目の前の欲望だけが渦巻く世界では、
真の友情など生まれるはずがない。

オヤジ・常治が好きだ
おれは朝ドラで新しく知る役者がほとんどだが、
いままでオヤジ役を演った中で、大杉漣、小林薫にはシビれた
今回の北村一輝はまだ若く、彼ら二人のようなシブ味はないが、
喜劇役者として惚れ惚れさせられる
最近の朝ドラは、ベタベタしたような親子関係が多かったが、
「もう帰ってくんな」と言って、裏で泣く、おやじジョージが好きである


戸田えりかは素敵だ
やはりヒロインが良くなけりゃあ、ドラマは成り立たない
この女優も今回初めて知った
顔は平凡に思えたが、やはり、瞳がうつくしい

朝ドラヒロインは、明るく元気よく、根性ある、が定番で、
だがそれだけではまったく凡庸だろう
戸田えりか演じる喜美子は、天然のボケと明るさがある
いぢめられても貧しく酷い境遇においても、
胸のすく想いで観ていられるのだ

そして一番の魅力は、深いかなしみが伝わってくること。
ふるさと信楽を離れるときや、
じぶんが恋愛指南してやった医学生との失恋のとき。

だが俺たちにはわかる
どんな深いかなしみにあっても、
また明日は明るい喜美子を見せてくれることを。