RCO Liveの新譜からベルクの管弦楽のための3つの小品とルル組曲のカップリング。指揮は個人的に気に入っているダニエレ・ガッティだ。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2750933
ベルク:
1. 管弦楽のための3つの小品
2. 「ルル」組曲(5つの交響的小品)
アナート・エフラティ(S)
ダニエレ・ガッティ(指揮)、ロイヤル・コンセルトヘボウO.
昨日のカンチェリとはうって変わって本格的な12音技法を駆使したバリバリのベルクである。管弦楽のための3つの小品は12音技法で鏤められた様々で不規則な音粒子が重く襲ってくる作品。12音階に有調性を持ち込んだとされるベルクなのだが調性は殆ど感じられない。ティンパニの荘厳な通奏低音(?)が下支えする低音部はがっしりしていて音階のポートフォリオとしてはピラミッドバランスだ。
一方のルル組曲はたゆたう曲想の12音なのだが短調〜長調が揺れる、多少調性を感じられる曲たちだ。いわゆるルルの歌と最終楽章に独奏ソプラノが入るが、これが極めて巧い。このアナート・エフラティというひとはルルの定番的な歌手のようだ。幻想的で夢心地と思いきやグランカッサの連打で現実に引き戻される、などという出入りの激しいドラマティックな曲だ。
ガッティはロマンティストでメロウな解釈をする指揮者と思われているようだが、実はそうではなくて贅肉をそぎ落とした筋肉質のマッチョなのである。動作は極めて機敏であって高速パッセージをこよなく好み、ルバートの起伏は極めて深いものがある。しかし、決してダルな音楽を演ずることはなく相当に引き締まった音を引き出すのである。ある意味従来からのRCOの優美で柔和なイメージを払拭する演奏で、いつもながらの美音とテクニックはそのままにソリッドで速い音を出すことに成功している。
(録音評)
RCO Liveレーベル、RCO08004、SACDハイブリッド。録音は(1)が2006年9月27,28,29 & 30日、(2)が2005年10月19,20 & 23日とある。場所は勿論アムステルダム、コンセルトヘボウでのライヴだ。
Polyhymnia International B.V.の担当だが、今度のこのSACDハイブリッドもPCM88.2kHz録音である。マッシブで重厚なハイサンプリングPCMの特徴とベルクの曲風が非常にマッチした抜群のセンスである。
レンジの広大さ、サウンドステージの奥行きと拡がり、各パートの定位、金管群やパーカッションのビーム、ティンパニやグランカッサの発する衝撃波と、どれをとっても非常に素晴らしい超優秀録音である。オーディオ的にはまたまた最右翼の登場で、音楽の解釈的にも音の作りも超辛口のハイスピード・サウンドだ。これは是非、大型4ウェイスピーカーをフル・ピストニック動作させて聴いてみたい一枚である。
※今晩は歓送迎会のため明日の音楽日記は休み
※明日はコンサートで、可能なら明後日には日記をアップ予定
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