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2008年07月20日12:46

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【バレエ】ABT「海賊」(初日)

漁船の燃料代を税金で補填しようという動きがありますが、
燃料代高騰で苦しんでいるのはトラック業者も同じ。
海運会社も航空会社もそうです。
彼らだけが困っているわけではない。
やるなら、すべての燃料の税金を下げるべきでしょう。

流れとしては、不足する税金収入は消費税率のアップ、
というのが順当でしょうけど、
その前に役所の無駄遣いを是正するのが先でしょうね。

       *     *     *

ニーナさんの初日をご覧になった、師匠の感想です。
ガラも彼女が「ドンQ」を踊った初日の方が、
評判は良いようですね。(^^)

       *     *     *

○ 第1幕

あっという間だったよ。
やっぱりABTは「ドンQ」と「海賊」だ。(^-^)

ミハイロフスキーの耳に馴染んだ音楽とは異なるけれど、
(ABTはセルゲイエフ版ですが、ミハイロフスキーは
グーセフ演出をベースにしたボヤルチコフ版で、
コンラッドのテーマなどが異なります)
コンラッドやビルバント、ランケデムの見せ場も結構あって、
見応えがある。

ゴメスさんのコンラッドは、ワイルドさと威厳があり、
海賊の首領として説得力がある。
今まで観た中で一番ぴったりなコンラッドじゃないかな。
すごくカッコいい〜。

1幕では少し重い感じがしたので、
踊りはとても調子が良いというわけではなさそうだけど、
綺麗にこなしてる。

ニーナさんのメドーラは、
登場時こそ売られてしまう憂いがあったものの、
コンラッドと恋に落ちてからは暖かい幸せオーラいっぱいで、
その美しく華やかな魅力に、
パシャもコンラッドもやられてしまうのに納得。
こんなご都合主義で破天荒な話には、
こういう理屈ではない説得力が必要だよね。

サヴェリエフさんのランケデムも憎めないヤツで、
とても良い味を出している。見事な大技に客席がわいたよ。

ビルバントのラデツキーさんはカッコいい。
脚のラインが美しく、その脚捌きも見事で、
きれいな爪先にうっとりした。
1幕は少し音に乗り切れていない感じがあったけど、
2幕では調子をあげてきていた。

ギュリナーラのコープランドさんは、たぶんまだかなり若いダンサー。
細かいところが若干大味になってしまうけど、
テクニックは強そうだし踊りは伸びやかで今後が楽しみ。
明るいコミカルな役の方が似合いそう。
アップテンポの時の方が生き生きしてた。

オダリスクの中で、下手側にいた一番小柄なダンサーが良かった。
音楽にぴったりあった伸びやかな踊りは、観ていて心地良い。
パールトさんでないのは確かだから、リチェットさんかブーンさん。

バービーさんのパシャはお茶目で憎めないし、
他にもいろいろ面白くて目が離せない。

○ 第2幕

ガラでよく踊られるPDDは、
ニーナさん、ゴメスさん、カレーニョさんという豪華メンバー。
見応えがないワケがない。(二重否定で強調)
コンラッドも見せ場のあるトロワで大満足。

ギリシャの街娘というより、
「みんなから愛されて大切に育てられた姫君」というくらい、
優雅で品のある華やかなニーナさん。
観ているだけで幸せな気分になってくる。

カレーニョさんの軸の細〜い回転が好きだったけど、
ちょっと影をひそめてきたかな。それでも軌跡の見える動きに、
次第にゆっくりとなる見事にコントロールされた回転、美しい脚先、
軽やかな跳躍は健在。ノーブルな奴隷だな〜。
ここしか見せ場が無いのはもったい無い。

1幕では少し重さが感じられたゴメスさんの踊りが、
ダイナミックでキレもあり見事だった!
本人も納得いく出来だったのか、
拍手に応えてから袖にはける際にガッツポーズ。

3人とも所々に通常の振付より技を多めにいれていたようで、
観客も大喜び。これだけでも観に来た甲斐があった。

あまりの盛り上がりに、
続くビルバントたちが踊りづらいかなと思えるほどだったけど、
彼らの踊りも良かった。

彼らがコンラッドに逆らう場面は、
コンラッドの迫力が凄い。あの首領には太刀打ちできない。
一転メドーラとコンラッドのPDDは、とても甘く雰囲気もあって、
うっとりしていると大技が入り、観客がどよめく。サービス良いな〜。

眠り薬の策略にはまり、昏睡しているコンラッドの横で、
メドーラを連れ去る際にビルバントが無理矢理キスをするのだけど、
よそではこんな演出あった?(←当然平手打ちされてる)
その流れの中でメドーラがナイフを手に取り、
ビルバントを斬りつけるので自然だった。
でも、か弱そうなメドーラに斬られて、
大勢の仲間に介抱してもらうのって、ちょっと情けない。

眠らされてる間にメドーラを連れ去られてしまうなんて、
状況的にはマヌケなんだけども、
ゴメス@コンラッド様にはマヌケなんて、とても言えない。
あの怒りの迫力には、絶対連れ戻してくれる、
と信じられる頼もしさがある。←さっきまで寝てたけど。

○ 第3幕

ギュリナーラ役のコープランドさんが、とてもキュート。
やっぱり明るい感じが似合う。
小柄だけど頭が小さくて身体バランスは良いし、
踊りも大きく、時々軌跡が見える動きをしてくれる。

パシャの宮殿に連れて来られたメドーラ@ニーナさん、
ハーレムパンツ姿になると、お腹まわりが気になる。
チュチュだと問題ないし、まったく太めではないのに。

メドーラとギュリナーラの年齢差がありすぎて、
友人にはちょっと見えないな。年の離れた姉妹くらいかな。
ニーナさんの包みこむような暖かさと、
コープランドさんの明るい元気さが余計に差を強調して、
身長差もあるので下手すると親子みたいに見える。

パシャが本当に面白いので注目。
メドーラとギュリナーラという美女を手に入れてご満悦。
お付きの者に、「ワシは眠るから支度をせい。」
寝椅子が用意されるのかと思ったら、大きなクッションが2つ。
そういえば舞台装置もイマイチだ。
気にすることなくクッションに倒れ込むパシャ。
眠り薬で眠らされるより寝つきが早いので、客席から笑いが。

パシャの夢の中、チュチュの色彩がヒドいことに。(^-^;)
蛍光マーカーペン色のピンクチュチュ、
さらに濃いピンクチュチュの子役
(照明で薄いブラッドオレンジ色に見える)、
黄色、ベージュピンクのチュチュが加わり、
明度彩度も異なるので色彩の統一感がまるでない。
せっかくラベンダーチュチュのギュリナーラと、
白を基調としたメドーラは素敵なのに、
群舞が加わると色彩のバラバラ感が増して、
落ち着かないことこの上ない。

前回のライモンダでは、
「アナタはチュチュを着て舞台に上がってはいけない」
(よく入るチュチュがあるな〜)」という体型の人が何人かいたけれど、
今回はいなかった。良かった…。

お付きのパシャのおこし方が雑。
バンバン! と叩いたり、両手でわしづかみして乱暴に揺すったり。
友達や手下を起こすみたい。パシャ、怒っていいよ…。

見所満載の楽しい演目だけど、
ラストはボヤルチコフ版の方がいいなぁ。
ここまでご都合主義の破天荒なお話だから、
明るいまま終わって欲しい。

カーテンコールも何度も繰り返され、
リフトやダイブの大サービス!
満員の客席も盛り上がり、最後はスタオベ。

グルジア来日時、ウヴァーロフさんの
「ニーナと踊るの大好き!」な笑顔も微笑ましかったけど、
ゴメスさんのニーナさんの讃えっぷりも負けてない。
パートナーに愛されるダンサーなのかな。

残念だったのは、パシャの夢のチュチュもそうだけど、
エキストラと思われる奴隷女たちがあまりにも…。
もう少し何とかならないかな。悪目立ちしてた。

観客で顰蹙だったのは、2幕メドーラのフェッテでの手拍子。
1階中央席辺りから始まって、つられる人がパラパラ。
幸い私の周りには居なかったし、
大きな手拍子には広がらなくて、つられた人も止んでいったけど、
始めた人がしつこい。音楽と回転速度が上がっていって、
手拍子がズレたままなので、さらに顰蹙。
隣にいたら叩いてやりたいくらいだった。ニーナさんに申し訳ない。

カーテンコールでは、オケピがあるのに花束を持った人が下手前に突撃。
即、係員が飛んでいって注意。でも粘って粘って、
最後はゴメスさんが受け取りに行ってた。優しいなぁ。
でも、その優しさにつけあがって、調子にのっちゃいけないんだよ。

今回の来日公演では、最初で最後の観覧。
なんだかんだ言っても満足して、幸せな気分で劇場を後にした。
主役をはじめとする主要キャストが良いって、いいな〜。
(↑ロイヤルで痛手を負ってる)
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