mixiユーザー(id:3696997)

2008年06月09日09:45

6 view

【音楽】Fauré: Vn-Sonata#1,#2@小林美恵、Pascal Roge

久し振りの国内新譜から、フォーレのVnソナタ。ExtonだからSACDハイブリッドのつもりで買ってきたのだが、封を切ったら通常CDだった。確認不足・・。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2685641

・フォーレ:
 ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調 作品13
 ヴァイオリン・ソナタ第2番 ホ短調 作品108
 初見視奏曲
 アンダンテ
 月の光
 ロマンス
 子守歌
 夢のあとに

 小林美恵(ヴァイオリン)
 パスカル・ロジェ(ピアノ)

フォーレのVnソナタ1番はフランス近代楽派の作品中でも片腕に入る名作中の名作で、この作品の10年後、やはり名作であるフランクのイ長調ソナタが生まれている。この二つはどう聴いても素晴らしい作品だが、特にフォーレの方は録音も多くライバル盤が多い。

小林美恵はロン・ティボーを日本で初めて制した才媛、また相方のパスカル・ロジェは敢えてコメントの必要がないフランス楽派弾きの第一人者で、これは聴くまでもなく素晴らしい演奏であることは論を待たない。

で、やはり素晴らしいのである。微かに棚引く小林のVnは幽玄そのもので、ロジェのバックアップも静謐で堪らない気品が漂う名演だ。時に明るく時にポップに展開するこの大曲を絶妙なタッチで紡いでいく二人なのであった。小林のVnは線が少々細いしヴィブラートの起伏も大きくはないが、まるでコロラテューラが歌っているような伸びやかで温度感の高い演奏、これは独特の雰囲気がある。

ソナタ2番は晩年になって書かれた瞑想的で求道的な曲想。この枯れた境地を描き出す大曲に関しても素晴らしい出来映え。後に収録されている小曲群も存分に楽しめる内容。

必ずしも当たりが多いとは言えないExtonにあって、久し振りに本気にさせてくれるアルバムだ。

(録音評)
EXTON(オクタヴィア)、OVCL00284、通常CD、録音は2007年4月11−13日、私の故郷・富山県東部に位置し、剣岳の麓の街でもある上市町(かみいちまち)北アルプス文化センターでの収録。従来のEXTONには見られない新境地の音質だ。漆黒の背景に艶のない恐ろしく静かな楽器音が素のまま描かれている。通常この手の静謐な録音は驚嘆すべき超高音質を予感させるもので、やはりこのCDにもその予感が大いにあった。しかし、思ったほどの超高音質ではない。アンビエント成分が幾分不足がちで、美味しい部分が少々欠落気味なのだ。Vnは少し神経質な音質だがPは上手に録れている。このホールの録音は何枚かあるが、いずれも調音に苦心している風だ。うーん、惜しい録音、今ひと息と言ったところ。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2008年06月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930