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2008年06月02日10:05

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【音楽】Prokofiev: Piano Works@上原彩子

昨年末に国内盤がリリースされて好評だったという上原彩子の3枚目のアルバムが遅ればせながらユーロ輸入盤で出た。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2700916

プロコフィエフ作品集

「ロメオとジュリエット」からの10の小品 Op.75
ピアノ・ソナタ 第7番 変ロ長調 Op.83
つかの間の幻影 Op.22

上原彩子(Pf)

この前にリリースされたチャイコPコン/ムソルグスキー展覧会の絵から2年が経過しているというから月日の流れは随分と速いものだ。

さて、またまた上原が得意とするロシアものなのだが・・。戦争ソナタ(Op.83)は例によってヨレヨレの歩の進み具合と鋭い切れ味を同居させた独特の曲想で、プロコの演奏としてはエキセントリックな部類に入るだろう。テクニック的には盤石なものを持っているのに少々もったいないと感じるアゴーギクの多用は好き嫌いが分かれるであろう。

つかの間の幻影はこのアルバムでは最も完成度が高い瞑想的な解釈で、船酔いになるほどのルバートは影を潜め、割と抑制的な弾き方だ。

冒頭のロミジュリはなんだか拍子抜けするほど妙な解釈で、テンポ感がまるでなくてダルである。縦横無尽に弾き倒す、そして破綻気味な速度に過度な抑揚を付けて疾駆する上原本来の美点が殺がれているのはどうしたことか。この曲は瞑想的に畏まって弾くものではないと思うのだが。昨今聴いたロミジュリではどうしてもこれ http://mixi.jp/view_diary.pl?id=663294537&owner_id=3696997 を引き合いに出してしまう。禁断の比較なのかもしれないが。

(録音評)
EMIレーベル、5178522、通常CD。アビーロード・スタジオでの録音。ソリッドでタイトな録音であって、全体としては爽やかな録り方と言える。PはまさにヤマハのCF3そのもので、真ん中のC(ド)近辺、つまり275Hz以下に強い混変調が含まれるヤマハ・ピアノの特徴が色濃く出ている。逆に真ん中のA(ラ)以上はマッシブで濁りの少ないかっちりとした中高域を構成し、スタインウェイのような煌びやかな付帯音はない。
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