HMVに頼んでいたAccentusのちょっと古いnaiveレーベルのシェーンベルク歌曲アルバムが今頃届いた。すっかり忘れていたのだが。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1497264
シェーンベルク:合唱作品集
・地には平和を op.13(1911年 合唱と管弦楽版)
・『色彩』(5つの管弦楽曲op.16 第3曲、フランク・クラフチク編曲)
・3つの民謡(1929)
遊びに来た2人の仲間
いとしい人よ、別れより
照らせ、いとしい太陽よ
・地には平和を op.13(1907年 無伴奏合唱版)
・室内交響曲 op.9
・『団結』(6つの男声合唱曲 op.35 第6曲)
・千年を三たび op.50a
・詩篇130番『深き淵より』op.50b
アクサンチュス室内合唱団
アンサンブル・アンテルコンタンポラン[op.13,op.9]
ロランス・エキルベイ(指揮)
ジョナサン・ノット(指揮,op.9)
しかし頼んで2ヶ月半というのはいくらなんでも長すぎはしないか。改めてHMVのサイトを見たら在庫有りとなっているのは私が一枚頼んだのに乗じて数枚のストックを作ったと言うことだろうか。
なお、このアルバムは歌曲だけではなく、Jonathan Nott+Ensemble Intercontemporainの演奏による管弦楽曲、歌曲へのトランスクリプションも含んでいる。
若い頃から現在に至るまでシェーンベルクやアルバン・ベルク、ウェーベルン、武満などの現代音楽はどうも楽しめずに敬遠してきた向きがある。しかし、どうだろうか、このAccentusのアルバムは。ソフトと言えばソフトで軟派な音楽の部類に入るやもしれないが、無調性の楽曲はこういった解釈でこういう風に楽しめるものだという一つの規範なのかもしれない。またシェーンベルクは無調性12音階しか作らなかったのかと思っていたら普通の有調性の曲もあることが分かった(3つの民謡)。
エキルベイ/アクセンタスの美点については今更どうのこうの言うまでもない。冒頭のアンサンブル付きのOp.13からして身震いがするほど良いのである。何が良いかと問われるとはたと困るわけだが、まぁ、長調にも短調にも傾かず、また明るく、暗く、中性的に転移する様が気持ちいいのである。曲の半分以上は不協和音な訳だがそれが何故か不快ではなく、まさに人間の複雑な心象風景とマッチすると言ったらよいだろうか。余り分析的に聴くと面白くはないが、ボケっとしながらゆったり、時に激しく明滅する12音技法の合唱に身を委ねたいもの。
5つの管弦楽曲op.16からのトランスクリプションは実に多彩で、しかも不快な部分が殆ど無い美しい無調性曲だ。何とも柔らかなアクセンタスのコーラスが心に染み込んでくるようだ。こういう聴かせられかたは初めての経験かもしれない。
室内交響曲は難解と言えば難解かもしれないがVnコンと同様の諧謔の世界が展開されるので、これも理屈を抜いて無条件に受け入れるのが良いと思う。音の散乱と明滅するリズム、不協和音を楽しもう。演奏は・・、この種の演奏に関しては上手い下手は良くは分からない。
(録音評)
naiveレーベル、V5008、2005年リリースの通常CD。Op.9については他とは違う調音で、ちょっと乾燥した無機質な演出、残響が明るすぎる嫌いはある。他のトラックは例によってnaive独特の湿潤で滑らか、そして陰影に富んだ豊穣な超高音質だ。ノイマン、B&K、ショップスのマイク、そして24bit/96kHzのオリジナルADC、Pyramix編集システムを使用したとある。このレーベルの音質管理の一貫性は素晴らしく、どれもが尋常ならざるクォリティだ。恐れ入る。
※本日夕刻は外出、帰宅が遅くなるので明日の音楽日記は休み
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