新譜ではないがちょっと前に買って積んでいたCD。デビュー当時は神童ともてはやされたエフゲニー・キーシンのロシアン・アルバム。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1476999
スクリャービン:
・ピアノ・ソナタ第3番嬰ヘ短調 Op.23『心理状態』
・5つの前奏曲 Op.15
メトネル:
・『追憶のソナタ』 イ短調 Op.38-1[忘れられた調べ 第1集より]
ストラヴィンスキー:
・『ペトルーシュカ』からの3楽章
エフゲニー・キーシン(p)
スクリャービンは中庸を行くまずまずの解釈で感情移入は少なめでアゴーギクも少なめ。ちょっとサラリとし過ぎの感もあるがスピード感が伴う好演と言えるだろう。
メトネルに関しては、うねる情感が深くそして硬軟入り混ざったスケールを展開、リタルダントとデュナーミクが交錯するダイナミックな弾きっぷりだ。これはなかなかに聴かせる解釈である。最近のメトネルの好演と言えばイリーナ・メジューエワなわけだが、キーシンのこれはまるで正反対、男性的で図太いメトネルであった。どちらが趣味かという問題だが、個人的にはメジューエワの静謐な解釈が好きだ。
白眉はペトルーシュカのピアノ編曲版だ。とにかく音数と手数が多いとはこのことで、まるで4手連弾を聴いているようだ。オケ版と比較しても仕方がないが、比較してしまいたくなるような出来映えだ。鬼気迫る厳しさの中にも遊び心がふんだんに取り入れられた傑作。
(録音評)
2004年8月7&8日、フライブルクのSWR南西ドイツ放送スタジオで録音とある。RCA Red Sealレーベル(SONY BMG)、82876-65389-2、通常CD。音質はソリッドにして仄暗く音像はオフ気味で小さい。これはこれで秀逸だが硬すぎるというきらいはある。いずれにしても日本のSMEの音作りとは対極をなす出来映えである。音楽的であるとか薫り高い品位だとか、そういった叙情的な表現には一切当てはまらない音質である。
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