mixiユーザー(id:3696997)

2007年09月10日14:36

11 view

【音楽】Buxtehude Organ works@Ton Koopman

オランダのマイナー・レーベルの新譜から、ブクステフーデのオルガン作品集。ブクステフーデは私が学生時代に傾倒していた作曲家の一人で、リヒター、レオンハルト、マリー=クレール・アランらのLP所蔵が随分とあったが、CD移行と共に手放してしまった。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2576672

コープマン/ブクステフーデ作品全集3
オルガン作品集1

ブクステフーデ:オルガン作品集
・前奏曲嬰へ短調 BuxWV146
・甘き喜びのうちに BuxWV197
・前奏曲ト長調 BuxWV162
・ああ、主よ、哀れな罪人なるわれを BuxWV178
・前奏曲ホ長調 BuxWV141
・いざ、わが魂よ、主をほめたたえよ BuxWV213
・シャコンヌ ホ短調 BuxWV160
・今ぞ喜べ、汝ら愛するキリストの輩よ BuxWV210
・前奏曲ニ長調 BuxWV139
・われ神より離れじ BuxWV220
・カンツォネッタ ホ短調 BuxWV169
・トッカータ へ長調 BuxWV156

 トン・コープマン(オルガン)

トン・コープマンは四半世紀前くらいに売り出した時には瞑想に入り浸る、過度の感情移入が全開の演奏スタイルが気に入らず忌避してきたのであるが、ちょっと前にNHKのBSでちょっと聴いたところ加齢と共に風情が変わっていた。

このレーベルはブクステフーデの作品を精力的に拡充させてきており、いずれ全集ものの完成を見ることになると考えられるので注目している。取り敢えず昔懐かしさも手伝い、オルガン作品集を買ってみた。

BuxWV139は圧倒的な風格と多少ゆったりとしたテンポがジャストフィットする好演奏である。対位法オルガン作品で言えばスウェーリンクからバッハへと連なる時代推移の中で、このブクステフーデの作風はちょうど中間地点と言えるが、このBuxWV139はバッハの作品の中に時折その類似旋律や対旋律が出現していたりして後世へ与えた影響の大きな作品といえる。

BuxWV160のシャコンヌはかなり有名は小曲で、この魔術的に美しいメロディーラインは誰しもが耳にしているのではなかろうか。その他、突き抜けるアチェレランドが先鋭的にして革新的なブクステフーデの典型作風が凝縮されているCDと言える。スウェーリンクやブクステフーデはコープマンが若い頃から一貫して取り組んできた作曲家であり、1980年代に頻繁に来日しICU(国際基督教大学)チャペルで開催された連続演奏会でも盛んに演奏していた。当時のNHK-FMエアチェック・テープが自宅に何本か現存している。

(録音評)
蘭Challenge Classicsレーベル、CC72242、通常CD。録音はドイツ、アルテンブルッフ、聖ニコライ教会、使用楽器は1498年製The Coci製、1728年、クラプマイヤー改修とある。

中規模のオルガンであって音色と響きは鮮烈だ。録音は適度な距離から直接音を少し多めに捉えた非常に明晰なものだ。高音部ストップの風切り音がピーピーと鳴き少々五月蠅いが、古典オルガンとしては良く整備されている方だろう。一方の最低音域に関してはレベルは控えめながらローエンドまで申し分なく伸び切っている。

突き抜けるようなオーディオ的快感が堪らない一枚だ。またブクステフーデの録音は元々そう多くはないので新規録音としては希少価値だろう。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2007年09月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30