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2007年05月22日09:28

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【音楽】Tonos y Tonadas@Ensemble La Chimera

ちょっと前、渋谷HMVの新譜コーナーの片隅にひっそりと陳列してあったCD。キメラの名前だけで買ってしまったもの。

http://www.marecordings.com/main/product_info.php?cPath=26&products_id=115

アンサンブル・ラ・キメラ/『トーノとトナーダ』

【幻滅】
・ああ、このにがい淋しさ
・お前を愛した者はもう去って行く
・早咲きのアーモンド
・そなたのあとについてゆく

【唄】
・ビダーラ唄いのチャジータ
・戻れ、小舟よ
・グアナコたちの草原

【影、もしくは闇】
・わが影へのビダーラ
・夜の闇は、はや
・私は光になりたい

【執着】
・太陽の義兄弟
・ポプラの林から
・ぶどう作りの夢

【瞳】
・トナーダ・エル・ディアマンテ(ダイヤモンドと呼ばれるトナーダ)
・黒い瞳
・そなたの瞳
・悲しきミロンガ
・青い瞳

【祭】
・カナリオス〜マランボ

【神秘】
・晴れて静かな夜
・おお、大いなる神秘
・静寂に寄せて

 アンサンブル・ラ・キメラ
 バルバラ・クーサ(S)
 イサベル・モナール(S)
 ルイス・リゴウ(南米の民族的笛類、vo)
 サビーナ・コロンナ・プレティ(gamb、リローネ)
 セルジオ・アルバレス(gamb)
 マーティン・ツェラー(vc、gamb)
 アンドレア・デ・カルロ(コントラバス、gamb、ハーモニカ)
 レオポルド・マルティ(g)
 キート・ガート(リュート、g)
 エドゥアルド・エグエス(リュート、g)
 アドリアン・ベスネ(朗読)

クラシックとフォルクローレの歌手が、互いの強点を融合させつつ独自世界を構築するアンサンブル・ラ・キメラの作品。以下、ライナーノートから少々抜粋:

西ヨーロッパのバロック音楽と南米大陸の植民地音楽文化という興味深い関係に着眼した内容。

具体的には、17世紀のスペイン・バロックの歌と、アルゼンチンのフォルクローレなどを対比し、融合を志向するという試みで、【幻滅】【唄】【影、もしくは闇】【執着】【瞳】【祭】【神秘】の7つのテーマを設定して、古今東西変わらぬ人間の心情を表しています。

スペインやポルトガル辺りの香りと、南米のフォルクローレが持つ土臭い気配が何とも言えぬ風情で溶け合う、とてもエキゾチックなアルバムだ。一度聞いてみたかったキメラが味わえて本望である。歌唱が独特の発声法であり純粋なフォルクローレとも違うし、少しボサノバのような節回しも混ざっているようだし、今までに類の見ない雰囲気だ。

使われる楽器はヴィオラ・ダ・ガンバやリュートと言ったバロック期のものに加え、ケーナの様な民族楽器やハーモニカまで加わった異色の取り合わせ。だが、ケーナのような楽器は、実はバロック期のフラウト・トラヴェルソと音色が酷似していることに気が付いた。従って、違和感どころか妙にマッチした解け合いを聞かせてくれるのだ。

(録音評)

MA Recordingレーベル、以下、再びライナーの能書きより:
−−−
 なお、このディスクは、より豊かな音質で音楽を楽しむために「エメラルド・オーディオファイルCD」仕様となっています。これはCDの素材であるポリカーボネイトの色をエメラルド・グリーンにしたもので、オーディオ・マニアには有名な「CD外周を緑色に着色すると、レーザーの乱反射が減少し、データの読み取り精度が向上、エラー補正の減少に伴い音が良くなる」という定説をさらに徹底してディスクに生かしたものです。
 これにより、MA Recording の名物エンジニア、タッド・ガーフィンクル氏独自開発のDC電源ライン・レベル・マイクロフォーンを使用した88.2kHzワンポイント録音の優秀な音質もさらに良いクオリティで楽しめることになりました。
−−−

ということで、これはオーディオマニアを意識した特殊なCDであることが分かる。しかし買う時にはそれは分からなかった。

このCDは前回の我が家におけるオフ会にて掛けたもの。その時の評判は良くなく、いや酷評に近いものだった。やれ人工的すぎる美音だの、いかにもオーディオショップの店頭で流れていそうなエコーだの・・・。

しかし、その後注意深く何度も聴き返した結果、これは紛れもないワンポイント録音であって、特別な化粧や加工・調音が施されたものではないことが分かった。

美音なのは録音された場所が石造りの古い建物の中の広くない部屋だったためで、天然エコーが美しく響き渡っているだけだ。ナレーションも拡声されたものではなく、部屋の中央で普通に語ったものを捉えている。左右交互で楽器の間接音がディレーを伴って浸透していくのはワンポイント特有の現象だ。トラックによっては中抜けっぽくセンター定位が薄いものもあるが、概ね良好な定位である。

楽器の臨場感は素晴らしく、しかも残響が自然で豊かに捉えられておりなかなかに落ち着く録音だ。佳作と言える。

※今日と明日は夕刻外出(セミナー&懇親会)のため今週の音楽日記は今日で終わりです。
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