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2007年05月07日10:02

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【音楽】マラ1@TOZ・ジンマン

巨人の新譜が2枚出ていた。今日のCDはあちこちの店舗やレコード雑誌でもかなり絶賛されているこれ。珍しく花の章付きだ。

http://www.amazon.co.jp/dp/B000MNP2Y4

・マーラー:交響曲第1番ニ長調『巨人』「花の章」付
 使用楽譜:マーラー協会版決定稿
I. Langsam. Schleppend. Wie ein Naturlaut.・ Immer sehr gemachlich.
II. Kraftig bewegt, doch nicht zu schnell.・ Trio. Recht gemachlich.
III. Feierlich und gemessen, ohne zu schleppen. 10:55
IV. Sturmisch bewegt.

Blumine (Andante allegretto)

David Zinman, Tonhalle Orchestra Zurich
チューリヒ・トーンハレ管弦楽団/デイヴィッド・ジンマン(指揮)

マーラーと言えばやはりブーレーズの録音と比較せざるを得ない。だが、残念ながら評判通りの演奏ではなく、ブーレーズと比べること自体失礼に当たるだろう。

全体に間延びしていてダルなフレーズが延々と続く。また、旋律進行にはアゴーギクやデュナーミクが殆ど使われていないにも関わらずフレッシュな印象もオリジナル忠実な印象もない。

この演奏、楽譜に忠実で好印象とされているようだが、実際にはスコア上の強弱符号、アチェレランドやリタルダンドといった速度符号が軽視されている気がする。その点においてはブーレーズの譜読みの方が深くて忠実なのかも知れない。

この曲は光と影、特にマーラー青年期における光に対する色彩感の演出が重要で、いわゆる「さすらう若者の歌」の主題がいかにビビッドに描かれるかが鍵だ。しかしこのジンマンの解釈は余りに内省的すぎて、溌剌としたところがない。

※花の章については敢えて評さない。

(録音評)
RCA RED SEAL(82876 87156 2)、RCAはもう存在せず、実際にはSONY BMGレーベル、録音は27-28 February, 2006, Tonhalle Zurich, Switzerlandとある。

素晴らしい出来映えのSACDハイブリッド盤であり、P邸オフにてSACDレイヤーを試聴、CDレイヤーもほぼ同様の品質と言える。録音が素晴らしいだけに、今ひとつの演奏と解釈が勿体ない限りだ。

楽器の定位とホールトーンの自然な美しさは天下一品の出来である。ストコフスキー配置が実に忠実に収録されており、特筆すべきは第一Vnと第二Vnがちゃんと距離感を保って鳴ること。これは従来の録音ではなかなか得られなかった新境地で、三点吊りの単純なデッカツリーでは実現は無理だと思われる。あたかも生のコンサートを聴いているかの如きの臨場感が達成されている希有な超優秀録音だ。
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