スタインウェイ・レジェンズの第二弾も最後となる。アルゲリッチの一枚目。
アルゲリッチは、私の記憶だけを頼りにすると女流としてはピアノ音楽史上初のヴィルトゥオーゾではないだろうか? 他にも有名な女性ピアニストは存在するが彼女ほどセンセーショナルで盤石のテクニックを備え、そして劇的な演奏を聴かせる女流ピアニストはいない。そういう点から言うとアルゲリッチは男女の別を超えた存命の巨匠のうちの一人と言える。
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J.S.バッハ: トッカータ ハ短調 BWV911
シューマン: ピアノ・ソナタ 第2番 ト短調 作品22
ブラームス: 2つのラプソディー ロ短調&ト短調 作品79
リスト: ハンガリー狂詩曲 第6番
リスト: ピアノ・ソナタ ロ短調
バッハはともかく、シューマン、ブラームス、リストはそれぞれに激しいのであった。シューマンの2番ソナタは名演中の名演であり、豊かな色彩感、強弱の妙、陽と陰(光と影)の対比が素晴らしい。聴いていて引き込まれざるを得ない演奏というのはあるものだが、アルゲリッチのこの頃の演奏はどれもが強力な求心力をもっており、思わず聴き入ってしまう名演奏なのである。
リストのピアノソナタはスタインウェイ・レジェンズの中ではアラウとポリーニが弾いているが、アルゲリッチのこれはアラウほどの重量感は無く、またポリーニのような超硬質一点張りでもなく、硬軟を適宜使い分けた柔軟性の高い伸びやかな解釈である。途中の緩徐楽章での瞑想的かつ夢のような優しいパッセージにはアルゲリッチ独特の憂鬱な解釈が聴ける。
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