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2006年11月09日09:54

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【音楽】Steinway Legends: Brendel 2

ブレンデルの二枚目。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000HEZBU8

ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調「熱情」
ベートーヴェン: エリーゼのために イ短調 WoO59
シューマン: 幻想小品集 作品12
モーツァルト: ピアノ・ソナタ 第10番 ハ長調 K330

ドイツの正統派ピアノ独奏曲ばかり並べた二枚目はブレンデルの、何にも媚びない毅然としたマルカート奏法がたっぷりと味わえる佳作だ。

熱情ソナタは他のスタインウェイ・レジェンズで取り上げられた多くのピアニスト達が録音しているが、ブレンデルはひたすら中庸を行く解釈であり、ひと言で言うと模範的、別の言い方をすると可もなく不可もない、ということだ。ただし、多くの場合、楽想としてアゴーギク(時間軸方向の揺らぎ)を強めに付けるのだが、ブレンデルはデュナーミク(強弱方向の揺らぎ)を入念にしかも控えめに加えて抑揚を表現している。そのためか専ら激しさが目立つ熱情ソナタが実に動的で瑞々しい演奏となっている。

エリーゼが入っているがこれはご愛敬とも言い切れない、サラリとした弾き口の中にもブレンデルのいつもの清潔な解釈が凝縮された美しい演奏だ。

幻想小曲集は、やはりデュナーミクを基調としたダイナミックな名演奏であり、このアルバム中では白眉と言える。ダイナミックにして繊細なシューマンの作風を鮮やかに描写している。

モーツァルトは賛否両論あろうが、ただでさえ単調で「つまらない」旋律が、モデレートで大人しい弾き方によって更に「つまらない」ものになっていると感じるか、淡々と清潔に流す凛とした姿勢を心地よいと取るかは個人差があろう。

(録音評)
第二弾の中では唯一のフィリップス録音。ADD仕上げも数曲含まれるが、おおかたはデジタル録音だ。他のDG盤に見られる煌びやかさが全くない、骨太なスタインウェイが生々しく捉えられている。フィリップスの名盤集であるデジタルクラシック・シリーズと殆ど同じ仕上がりと言えよう。とても潔い調音である。
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