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2006年11月07日09:47

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【音楽】Steinway Legends: Michelangeli 2

ミケランジェリの二枚目だ。

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ショパン: バラード第1番 ト短調 作品23
ショパン: スケルツォ第2番 変ロ短調 作品31
ショパン: マズルカ第24番 ハ長調 作品33-4
ショパン: 前奏曲 嬰ハ短調 作品45
シューマン: ウィーンの謝肉祭 作品26
シューベルト: ピアノ・ソナタ第4番 イ短調 D537

ショパンのように緩急が短時間で恐ろしく入れ替わる曲になるとミケランジェリのアゴーギク、というかテンポ・ルバートの功罪が明らかになる。

速いパッセージでのfinger-key noiseを極端に嫌うため腕を打ち下ろすことは決してしないので、どうしてもスラーを掛けたようなレガート表現となってしまう。

しかし、それも速度的に限度があるのでどうしても楽譜上速いパッセージは遅めに通過せざるを得なく、そうなるとある小節が間延びして、ある意味破綻しかけて次の小節まで突入するのだ。そしてそれを取り戻そうとする心理が作用するためか疎らなパッセージを速めに弾き抜けるということを繰り返すのだ。

ここに収録されているショパンのバラードはレガート表現で違和感がない作品だが、スケルツォおよびマズルカは非常に速い16分音符が連続するシンコペーションを複雑に含むマルカートを基調とした曲だ。

ミケランジェリはやはり全体としてゆったりとした速度で弾いている。アゴーギクの時間軸に対する揺らぎ量は非常に大きく、これは独特のショパンと言える。特にマズルカは拍子が破綻して分からないくらいの揺らぎであり、ここには民族舞曲に由来するリズミカルさは全くない。だが、このメロディアスな弾き方は好きな人は好きに違いない。

(録音評)
いずれもアナログのステレオ録音。音像定位は非常に際立っており目前にピアノが鎮座しているのが見えるほど。音色は非常に明るく、また録音も残響が過多と言えるほどの暖色系だ。二枚目は特に暖色が強く多少荒れた音である。ごく一部、ワウ・フラッターやドロップアウトも感じられるが古いマスターからの復刻としては優秀な出来だ。
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