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2026年04月29日07:44

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藤井薫『定年前後のキャリア戦略』(中公新書ラクレ)を読みました

藤井薫『定年前後のキャリア戦略』(中公新書ラクレ)を読みました。
著者は、パーソル総合研究所シンクタンク本部の上席主任研究員だそうです。
本書では、「ずっと正社員だった」あるいは「ずっと会社員だった」60代に対して、その就業やお給料のリアルをパーソル総研などのデータに基づいて解き明かそうと試みています。
冒頭から明らかにしている通り、ここ数年、人手不足が声高に叫ばれ、新卒をはじめとする若手社員は引く手あまたで、初任給は爆上がりして30万円もめずらしくない世の中になった一方で、50-60代の中高年社員は十分な活躍の場を与えられているとは考えられていません。本書でも何度も同じいい回しが登場しますが、会社は中高年社員を持て余していて、それほど大きな期待は寄せられていません。そういった観点から、50-60代会社員、ずっと会社員でずっと正社員だったサラリーマンの処遇のリアルを明らかにしようとしています。
まず、広く知れ渡っている事実ながら、雇用延長がなされて、60歳定年であっても65歳までは継続雇用、退職後の再雇用という形か、あるいは、定年延長かで、65歳まで働き続けることが普通になっています。しかし、他方で、50歳とか55歳とかで役職定年、あるいは、定年65歳であれば、例えば、60歳で役職定年というものがあります。当然、その段差でお給料は大きく下がるわけです。役職定年がなくても、60歳の定年後再雇用でお給料は半分近くに下がる場合すらあります。働く方からは、モチベーションの維持も難しくなりそうです。そういった事実をデータに基づいて明らかにしています。ただし、建前や制度上のお話ではそうなっていても、ホントのリアルは違っている場合があり、それをアンケート調査などで補っています。
雇う方からの見方は、pp.156-7に渡って、60代社員に対する会社のステレオタイプなホンネがいくつか列挙されています。最初のは「企業が望んで雇用しているわけではない。昔ならもう引退している年齢だ」、次が「年功で役職についている人も多い。給料も高い」、そして、「給与もポストも若手に譲ってやってほしい」といったものです。まあ、そうなんでしょうね。
ただ、私のキャリアは公務員から大学教員ですから、会社員とは大きく異なる可能性がありますので、何の参考にもなりません。
最後に、employabilityという英語がありますが、労働は可能でも、雇用される可能性が低下している人材は少なくない印象です。それでも、平均余命は伸びて時間を持て余す中高年は多いわけで、何らかのスキルアップなしに望ましい形での会社や社会への貢献ができない時代に入りつつあるのかもしれません。

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