妻と二人で電車を乗り継ぎ、八王子くんだりまで行ってきた。
『八王子市夢美術館』で開催されている川瀬巴水展を訪れるためだった。
川瀬巴水作品を一挙に150点以上も鑑賞することが出来ました。
おかげで自分が購入すべき作品の目鼻もつきました。
必ず購入したい一枚、出来れば欲しいもう一枚、あわよくばさらに欲しいもう一枚、と三作品の購入を妻に仄めかすと「一作品じゃ我慢できないわけ?」と呆れ顔で言われました。
そして、さらに妻が言葉を続けました。
「そんなに絵ばっかり集めてどうするの? 家にはもう保管する場所もないのよ。3LDKのマンションでは絵を掛ける部屋の数も壁の数も足りないのよ、まったく」と。
返す言葉もないぼくは、恨めしい目で妻を見詰めるしかありませんでした。
それでも、何とかやっとのことで言葉を絞り出しました。
「・・・母に誓ってこれが最後だから。お願いだ! 買ってくれ」と。
水原一平を真似たジョークのつもりで吐いたお願いでしたが、妻からは鼻で笑われ「あんた、それ。一番危ない奴だ」と言われました。
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