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2024年01月02日18:40

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「OSO18 ”怪物ヒグマ”の最期」

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昨年末、見逃していたNHKスペシャル『 OSO18 ”怪物ヒグマ”の記録 』『 OSO18 ”怪物ヒグマ”最期の謎 』が再放送されたので、録画して観た。2019年7月から北海道川上郡標茶町オソベツで放牧中の乳牛を襲うヒグマが出没。65頭を襲撃、31頭を殺害して7千万円を超す被害が生じていた。残された体毛のDNA検査により、特定のヒグマと断定。18cmの足跡(横幅)と出没地域オソベツから、加害熊は「OSO18」と名付けられた。

 北海道庁では「OSO18特別対策班」を編成し、OSO18駆除に奔走する。しかし、OSO18は夜間にのみ行動して、罠にもかからない。おそらく、幼獣の頃に罠にかかって、唐辛子スプレーを鼻に噴霧されて山に放たれたのではないかと思う。「人間の恐さ」を痛いほど学び、人の臭いを極端に嫌うようになったのだろう。警戒心が強く、昼間、監視カメラに記録されたのも、わずか1回。乳牛を繰り返し襲撃し、人前には姿を見せないことから、OSO18は「忍者クマ」と呼ばれ、恐れられるようになる。

 2023年7月30日、釧路のオタクパウシ牧草地で一頭のヒグマが駆除された。地面に寝そべり、人が近づいても横たわったままで、役場の職員によって射殺されたのだ。この職員はヒグマを撃ったのは初めてで、処分は解体業者に託した。体毛の色つやが悪く、痩せて弱っている様子だったことから、当該熊がOSO18であるとは微塵も思わなかったのだという。本来、草食傾向の強い雑食性のヒグマがなぜ、繰り返し乳牛を襲って、その肉を食すようになったのか。解体業者の処分場に残されたOSO18の骨を探し出し、その組成から「いつごろから肉食に傾いたのか」が解明された。OSOの年齢は9歳6ヶ月、4歳ごろから極端に肉食志向となり、近年は木の実などを一切食べていなかったとされる。繁殖期、行動圏内に自分より大型で強力なオスが6頭も侵入して来たことで、OSO18は押し出される格好で移動を開始。空腹で衰弱し、逃げる気力もなく横たわったまま射殺されたのだ。解体した時、胃袋はからっぽだったと解体業者は証言する。

 番組では、OSO18が肉食に傾斜するようになったのは、毎年10万頭駆除され、そのほとんどが野山に放置されるエゾジカの死骸が背景にあると推測する。エゾジカの死骸を食べ、肉の美味さを知ってしまったために、強く肉に執着するようになったのだと。もともと肉食のヒグマは数100万年もかけて、草食へと進化を果たしたことで生き延びる術を身につけた。ヒグマの餌は7〜8割は植物質のもので、残りが蜂や蟻だそうだ。一生のうち、一度も肉を食べることなく生涯を終えるヒグマも少なくないと研究者はいう。それが、OSO18の場合、肉食に偏向することで「 自ら生きる道を狭める結果 」となった。エゾジカ駆除のシステムを変更しない限り、第二第三のOSO18が誕生するだろう、と番組は結ぶ。國村隼の落ち着いた味わいのあるナレーションがマッチしていて、とても良かった。



羆 ヒグマ 熊 オソ18
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