体幹が強い。だからボールをキープできる。そしてピッチを広く使える視野が相手の裏を取る。かつて日本代表GK楢崎正剛を要してベスト4進出を成し遂げた奈良育英を相手に昌平は高校野球ならコールドとなる7−0というスコアで1回戦を突破した。
力の差は明らかだった。前半で3点を挙げた昌平。それはすべてがごっつぁんゴールだった。それは昌平がDFを崩して相手の裏を取った証だ。そして結局7点を挙げたのが6人であることが昌平の特定選手の個人技ではなくシステムによることを証明している。
先制点は鄭志錫君がGKとの1対1の場面をあざ笑うかのように右に詰めていた完全ノーマークの小田君にパスを出して難なくゴールに流し込んだ。
この1点で試合の結果は見えた。
現在Jリーグの下部組織とともにプレミアリーグを組む24チーム。そのうち高校とクラブチームは12チームずつだ。そしてその高校でこの大会に出場していないのは旭川実と東福岡、さらに同県から2校参加している流経柏の3校だけ。
かつての強豪チームの奈良育英に対してプレミアの昌平は圧倒的な力の差を見せつけた。ボールと相手の間に身体を入れるフィジカルの強さ。ハンドオフやショルダーチャージをうまく使う技術。狭い場所からもボールをつないで一気に逆サイドに展開するなど個人の能力にスペースを使う展開力が加わって試合を圧倒的に支配した。
2回戦は同じプレミアの米子東との対戦。先制点を挙げた小田君が喜びを爆発させたが、その後の6点にはあまり大きなアクションを起こさなかった昌平。もう次の戦いを見据えていたのかもしれない。
2023年12月29日 第102回全国高校サッカー選手権 1回戦(於 さいたまスタジアム2002)
昌平7−0奈良育英
ログインしてコメントを確認・投稿する