全馬完走。そこで湧き上がる大声援がボクは好きだ。年末恒例の名物レースの中山大障害。
その歓声はジャパンカップでのアーモンドアイやイクイノックスに送られたものとは明らかに異なる。それは勝者を称えるだけのものではないからだ。大竹柵障害や大生垣障害を全馬が飛越するたびにも起こる拍手。そして優勝馬から8秒も遅れてマイネルヴァッサーがゴールしてからの大歓声。
それは大敗した初出場の公立高校に対して甲子園の高校野球ファンが送る声援に似ている。それは何とか襷をつないで最下位で大手町に帰ってきたチームに駅伝ファンが送る声援に似ている。
レースは昨年5番人気で勝ったニシノデイジーが今年も積極的にレースを進めた。逃げるビレッジイーグルに絡んでマッチレースとなったが最終障害で1番人気のマイネルグロンが先頭に立った。ニシノデイジーも粘り、ビレッジイーグルは最後に力尽きてエコロデュエルに3着を譲った。
全馬完走。ボクの本命だったニシノデイジーも2着に粘って馬券も低配当ながら的中した。しかし馬券だけじゃないのが中山大障害だ。
パドックではボクシングのラウンドガールのようなウィナーガールが登場した。時代は変わっていくが、この中山大障害へのファンの思いはいつまでも変わらないと思った。
今年もいい中山大障害だった。
2023年12月23日 第146回中山大障害(於 中山競馬場)
マイネルグロン(石上深一)
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