mixiユーザー(id:3210641)

2023年12月22日14:23

281 view

クレー射撃


「クレー射撃、行こう」と悪友A。

射出された粘土(Clay)の素焼き円盤を撃ち落とすことからきた競技名だから、カタカナ表記は「クレイ」だと思うのだけど、「バレエ」と「バレー」ほどの違いは無いからまあいいか。(笑)

でも散弾銃の許可証なんか持ってないぞと返すと、屋内でやるレーザー・クレーだという。なんだ、バーチャル・ゲームか。と思ったら、少なくとも場長はガチの人で、会員も本物の散弾銃所有者、トレーニングの一環としてやってくるから、遊び半分で来た人は入場を断ることもあるという。

・・・ごめん。遊びに来ました。

昨今やくざな熊の被害がふえているから、狩猟免許とセットにすればニーズはありそうだけど、日本で銃を持つのはハードル高そうだし。

いきなり脱線すると、熊被害が拡大しているのは人間が熊の住む場所を奪っているから、と言う人は情報が古いようだ。

日本の山は、金になるからと植林によってスギやヒノキの針葉樹ばかりになったけれど、その後安い外国産の木材に押されて日本の林業は衰退、場所によっては植林後の間伐までされた状態で放置されるようになった。

その結果、適度に日の当たる場所には広葉樹などさまざまな植物が自然発生し、熊の好む木の実もたくさん成るようになった。食べ物が豊富にあれば、動物は増える。熊の食べ物が無いというのは、天候不順による単年的なものであって、開発などで人間が永続的に奪ったわけではない。

では近年熊被害が増えているのはなぜかというと、いちばんの理由は熊の数が増えたからだが、それに拍車をかけているのが里山の減少。人里と山林の間の里山は、人間と野生動物の生活圏の緩衝地帯として機能してきたが、過疎化や林業の衰退により里山が山林化してしまい、人間と数の増えた熊の行動圏がダイレクトに結びついてしまった、というのが専門家の分析。

ハンターの数が減ったのも一因とする解説者もいるけれど、そういう人はデータの処理能力が不足しているようだ。日本のハンター登録者数は最盛期には50万人くらいいたそうだが、現在は20万人。この2つの数字「だけ」比べれば、ハンターは大幅に減ったことになる。しかし50万人と20万人の間には10万人にまで減った時期もあって、その後増加に転じている。この増加傾向は今も続いており、銃の所持許可証を得るための試験を受けることすら困難になりつつあるという。

ちなみに10万人にまで減った時でも熊の出没がいまほど問題になることはなかったそうだから、当時はまだ熊の数が少なく、その後の生息数の増加がハンターの増加を上回った、と見ることができる。

話をクレー射撃に戻すと、バーチャル射撃場は想像していたよりもはるかに小さく、小振りな雑居ビルの1フロアというか1室のみ。半分を休憩所兼事務所として使っているが、仕切りも無い。

射撃スペースの壁には幅3メートルほど、高さはその半分程度のプロジェクター・スクリーンが貼り付けられ、そこにパソコンの映像を投影する。射座は1か所のみ、射手からスクリーンまでの距離は5メートルもない盆栽サイズの射撃場。小振りな映画館みたいな施設を想像していたから、ちょっと拍子抜け。(笑)

投影されるCGも昨今のリアルな映像と比較すると2、3世代前の出来だが、飛んでいくクレーの動きの再現度はかなり正確とのことで、射出速度やパターン、散弾の散布界を射手の腕前に合わせて調整もできる。

紐付き(電力兼データ通信ケーブル)の銃で標的を狙うのは、まんまゲーセンのシューティング・ゲームだが、開始前に簡単な利用契約確認を行い、初心者には銃の構え方などのレクチャーもしてくれる。公式戦に倣って1セット5発×5セットが1ゲームとなるが、毎回1人しかできないから、途中で画面を停めて場長がアドバイスしてくれることもある。

使う得物(笑)は本物の中古銃にレーザー発光器を取り付けたものなので重さが4キロ近くあり、初心者の中には1ゲームで腕が上がらなくなる人もいるという。

銃の構え方については、後述のように思うところはあったが、郷に入っては郷に従え、とりあえず指示に従うことにした。その構え方とは、体をスクリーンに向けて45度開き、銃床を肩にしっかり付けて安定させる、いわゆる「ライフル銃の構え」。

ほかに来場者もいなかったので、さっそく始めることにする。誘ってくれた友人も初めてとのことだったので、じゃんけんで順番を決め、私は2番手。よしよし。

初心者向けの射出速度と散布界にもかかわらず、慣れない銃と構えということもあって、ゲームでは頼りになる相棒、敵にはしたくない精度の高い射撃をする奴にもかかわらず、撃ち落とせたのは半分以下という惨憺たる結果に終わった。当分いじってやろう。

後ろから画面に合わせてエアー射撃(笑)をしていた限りでは、標的の速度には余裕で追随できたから、銃と感覚のペアリングさえうまくいけば、少なくとも奴の成績は上回れるだろう。

・・・と思ったのに、1発負けてしまった。_| ̄|○

構えた時の正面側、右利きなら右方向、左利きなら左方向には問題無く銃口を振れるが、その反対側はすでに体をひねっている状態なので、どうしても対応が遅れ気味になってしまう。だからと言って振りにくい方向を意識していると、こんどは振りやすい方向への対応が遅れ気味になってしまう。

とりあえずコツはわかったので、すぐに第2ラウンドを開始する。こんどは私が勝ったが、差は2発しかなく、命中したのも25発中15発でしかなかった。

昨今のトイガンはリアル指向、金属パーツを多く使い、ダミーウェイトも組み込まれているので重さは実銃と変わらないから、腕も疲れていない。ならばほかのお客が来ないうちにと第3ラウンドを始めることにしたが、今回は場長の許可を得て、構えはクレー式ではなくCQBスタイル(後述)にさせてもらった。するとクレーの動きに慣れたというのもあるが、25発中23発と、場長も驚くほど当たった。奴と同点というのが不満ではある。(笑)

もっとも、この結果は予想通りだった。行く前、クレー射撃の動画を眺めていて疑問に思ったのは、構え方が目的に合っていないこと。最初にレクチャーしてもらった「ライフル銃の構え」は、射距離100〜300メートルを想定したもので、銃口がブレないよう、なるべく銃を安定した状態に保つための構え方。

たとえば200メートル先の標的を撃つ場合、銃口がわずか0.1度ブレただけでも、狙った場所から35センチも外れてしまう。また200メートルも離れた標的なら、それが真横に移動したとしても、F1マシンが全力疾走でもしていないかぎり方位角の変化量は大したことがないから、安定を目的とした「ライフル銃の構え」でも追随できる。

しかし「射距離30メートル以下の移動標的」となると話も変わってくる。たとえば200メートル先の標的が横に3.5メートル移動した時の方位角の変化は1度にすぎないが、距離が30メートルになると約7度、10メートルの至近距離では約20度も変わってしまう。つまり標的の移動速度が同じでも、距離が近いほど銃口を素早く振らなければならない。

しかし「安定した構え」は、「動きにくい/動かしにくい構え」と言い換えることもできるので、市街地や建物/船舶の中など、交戦距離の短い場所での戦い(CQB : Close-quarters Battle、近接戦闘)が多い特殊部隊は、「動きやすい構え」を採用している。

体は正面に向け、銃口を戦車の砲塔のように左右均等に振れるようにする。クレーの立射姿勢は射座から動かないのが前提なので、重心もぐらつかないよう下半身も膝は伸ばし腰も入れるのに対し、CQBスタイルは中腰で膝も曲げ、前後左右瞬時に移動できるようにしている。この緩い膝が、上体をより左右に振りやすくしている。

クレー射撃の場合、射距離は40メートルだからライフル銃の構えでも問題はないようだが、我々にこの構え方をレクチャーしてくれた某国某特殊部隊のOBが散弾銃研修の一環としてクレー射撃を試した際、初めてだったにもかかわらずCQBスタイルでいきなり高得点を出して驚かれたという。


自動車のアクセルとブレーキは、同じ足で踏むことを前提に「踏みかえやすい」よう、隣合わせのそれもすぐ近くに配置されている。ということは「踏み間違えやすい」配置とも言え、クラッチ操作が不要になったAT出現時にブレーキはクラッチの位置に移し、左足で操作するようにしていれば、いまなら同時に踏んだ時はブレーキ優先の制御にできるので、高齢者の踏み間違え事故がここまで多くなることはなかっただろう。
3 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年12月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31