葉隠

どうも私は先の大戦に興味が尽きない。ゼロ戦はあんなにも美しい機体を他に知らないし、ヒトラーにすら魅力を感じる。

　先の大戦で我が国が負けた理由のひとつは武士道だったのかもしれない。
　例えばゼロ戦、正々堂々と戦ったならば無敵の戦闘機だ。だが連合国は卑怯な戦術をとる。一撃離脱戦法、高速で近づいて攻撃し後は逃げるのである。サッチウィーブというゼロ戦1機に対し2機で対応する戦法も編み出された。
　例えば潜水艦、我が国には優れた潜水艦が多かったのだがドイツのUボートのような運用はされなかった。Uボートのように輸送艦を標的にすべく運用されれば戦局は変わったろう。卑怯な戦術だと思われたのだろう。
　戦争はスポーツじゃない。卑怯であっても勝てばいいのだ。
　勇敢さでは我が国は世界一だったろう。だが勝てなかった。

　いっぽうドイツ、科学技術では他国を抜きんでていた。Me262、世界初のジェット機である。無敵だったが戦局を変えるには至らなかった。Me163、史上唯一のロケット推進戦闘機、これも無敵だったが航続距離が短か過ぎて連合国はこれが配備されている基地を避ける事でクリアした。これも史上唯一の列車砲グスタフという超大口径の大砲、大和の46cmに対し80cmだ。挙句はV2ミサイルである。それでも勝てなかった。

　なんのことはない。衆寡敵せず、多勢に無勢は必ず負けるという兵法の基本が実証されただけだ。これを勇敢さや科学技術が覆すことができなかっただけだ。

　ヒトラーの価値観は部分的に美しい。だが、だからといってそれに反するものを否定したり殲滅するのは許されない。

　興味が尽きないのは現代に通づる適した教材であるからかもしれない。戦国時代とかより現代に近いので除外すべき要素が少ないのが良いのかもしれない。資料も多いし。