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2023年12月17日19:37

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楕円球に夢を乗せて2023-2024〜6〜リーグ戦の衰退

ラグビー大学選手権の3回戦はリーグ戦2位の流経大と対抗戦4位の筑波大との対戦。

ラグビーは陣取り合戦である。そういう面からキッカーの力がどれだけものをいうか。痛切に感じた試合だった。

試合はどっちも譲らず、また互いに流れをつかみ切れないまま接戦で進み、前半を終わって17−16と流経がリードして終わった。

先制は筑波だった。スクラムからナンバー8の谷山君がすぐに抜け出してゲインすると最後はフルバックの増山君がゴールに飛び込んだ。コンバージョンも難しい角度から決め、さらにPGで10−0とリードする。

しかし流経も篠澤君が2つのトライを決めて逆転するがコンバージョンはともに決まらず、筑波もPGの3点を獲得して13−10。しかし流経は前半終了間際3点差でゴールまで10メートル地点で得た反則、ここでPGでの同点を狙わずにスクラムを選択した。

左にラインを敷いていた流経。しかしスクラムは右に流れてナンバー8のティシレリ・ロケティ君がそのままボールを拾ってトライ。これはコンバージョンも決まって17−10と逆転に成功。しかし筑波も前半ロスタイムにPGを決めて17−16とした。

トンガ出身のロケティ君は191センチで体重は110キロを超える。こんな選手が思いっきり突っ込んでくれば相手はたまらない。流経の攻撃の核であることがわかる。

この両校は3年前の57回大会の3回戦で対戦し同点でトライ数も同じであったため抽選で流経がベスト8に進んでいる。今年もそうなってもおかしくないような様相で前半を終えた。

だが、後半は完全に流経が試合運びのまずさを露呈した。相手のキックのボールを得たFBの増本君が自陣10メーターライン辺りから独走トライ。コンバージョンも決まって23−17と一気に逆転する。後半が始まって1分も経っていなかった。

しかし流経も負けてはいない。左サイドのラインアウトモールから押し込んで認定トライ。24−23とまたしても流経が逆転。しかもシンビンが出された筑波。

もう流経の流れかと思われたが、キックオフボールのワンプレーで流経は反則を犯してPGが決まり26−24と筑波が逆転。さらにシンビンが明ける直前に筑波は左サイドのモールからトライを許しコンバージョンも決まって33−24とされた。一人多い状況で10失点。逆転されさらにリードを広げられた流経。残り時間は10分余りだった。

しかし流経もここで攻撃態勢にはいる。何度もアドバンテージを得ながらも単純に攻め続けて時間ばかりが過ぎていく。思い切ったキックパスやドロップゴールなどを狙って何とか7点差以内の持ち込むギャンブルプレーをなぜしなかったのだろう。そのプレーが失敗してもアドバンテージでやり直しができるのに・・・

結局流経はPGで3点を返し33−27としたものの筑波に追いつくことはできなかった。

巨漢ナンバー8のロケティ君はその突進力など魅力十分なプレーを見せた。しかしワンマンプレーが目立ちノックオンを犯したりタッチに押し出されたりしてチャンスが継続しなかった。残り1分を切った時点でロケティ君は右サイドを抜け出した。一気に駆け抜ければトライかと思われた場面。しかし最後はディフェンスに追いつかれパスを出そうとする前に筑波の選手にボールを触れられて落球、ノックオンとなった。

試合終了間際のアドバンテージを何度ももらいながらの試合運び。反則の多さと雑なプレー。リーグ戦優勝の東海とは最後まで優勝を争った流経のこの試合を見るとここ数年リーグ戦のチームが勝ち上がれない要因が見えたような気がした。

そして今日、マンオブザマッチがあるとすれば間違いなく楢本君だろう。トライ数は流経の方が4で筑波は3。しかしコンバージョンは流経が1で筑波はパーフェクト。さらにPGは筑波が4で流経は1だった。キック成功率が100%だっただけじゃない。タッチキックはギリギリにタッチラインを割り確実に陣地を挽回した。逆風の前半も長い距離を稼いだ。この安定感のあるキックは筑波の相当の戦力だった。

スクラムでも選手個人の能力でも流経が上だったかもしれない。しかしラグビーはそういうものではない。対抗戦とリーグ戦はかなりの差が開いているように思った試合だった。



2023年12月17日 第60回全国大学ラグビー選手権 3回戦(於 秩父宮ラグビー場)
筑波大33−27流通経済大

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