ジャパンカップ2023

今日の世界的なレースで馬券が当たるとは思わなかった。もう２強の対決で３着にはどれがどれが来るかはわからない。

いつもは14時からのレースをすべて勝って勝負しているボクもこのジャパンカップは勝負する気すらなかった。２強からパンサラッサ、ヴェラアズール、スターズオンアースへの三連複を３点だけ買って見るレースにした。

結果はイクイノックスの圧勝だった。だが決して圧勝ではない。レースが終わって地下馬道に戻ってきたときにルメールも木村調教師も涙を流していたのだ。

博打として競馬を見ている人からすればそんな視点では見てはいないだろう。しかしいくら１番人気で世界ランク１位であっても、いやそれだからこそ関係者たちにとってその勝利は簡単ではない。むしろそのプレッシャーは半端ないはずだ。

博打打ちからすれば勝って当たり前、しかしだからこそ彼らの涙にその苦悩がどれほどだったかがわかる。

見るレースだから300円しか掛けなかったボクは600円の配当を得て正しい判断だった。しかし5億円の賞金がかかったこのレースに挑んだ木村調教師やルメール騎手はそんな金額の問題ではなかった。

牝馬三冠を成し遂げたリバティアイランドの川田騎手もレース後に涙ぐみながらインタビューに答えていた。

ジョッキーは野球やサッカーの選手たちとは違ってあくまで馬が主役という競技の中で生きている。勝ってもそれはあくまで馬であり、自分で本塁打を打ったりゴールを決めていいるわけでない。だからこその苦悩がある。

パンサラッサが大逃げをうつ中でのレース。57秒台での入りは無茶だったがそれでもそれを冷静に判断しての2強は最後はワンツーを決めた。しかしそれは誰がやっても当たり前のことではない。

競馬は博打だ。だがそれ以上に競技だ。見ている人たちがどちらの視点かであるかは別として、今日はそれを強烈に感じた日だった。



2023年11月26日　第43回ジャパンカップ
イクイノックス（C・ルメール）2.21.8