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2023年11月17日08:39

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いざセンバツへ2023〜12〜お腹いっぱいの試合

試合としては物凄く面白かった。

ボクの後ろにいた4人組の会話がそれを物語る。

初回豊川の注目打者モイセエフ君が豪快に空振りで三振に倒れた。4人組が大声をあげる。

「やーべー、当たったらスタンドだわ・・」

高知の先発辻井君は先頭に四球を与えたものその後はこのモイセエフ君を含めて三者連続三振。高知にはエースナンバーを背負う平良君とともに今年のセンバツでも登板した2人。140キロを超えるダブルエース右腕だ。そして高知は4回に先制する。

先頭のセカンドフライを豊川の2塁手が落球、バントのあと四球。そして3塁ゴロエラーで無死満塁。続く筒井君の打球は三遊間に飛ぶ。これを遊撃手が好捕。しかし2塁も1塁も踏ん張って投げては間に合わない。そこで3塁へ投げた。これは好判断だった。1点を失っても1死1・2塁となるはずだった。しかしこれが悪送球でファウルグランドにボールが転がった。2点が入ってなおも無死2・3塁。

「やっちゃったよー」「いや、やりすぎだわ」4人組の声が響く。

結局高知はその後内野ゴロと谷口君のタイムリーで2点を追加し4−0とリードした。

豊川の先発中西君は5イニングを投げて自責点は0ながら失点4で平野君にマウンドを譲った。そしてその平野君。球速は130キロ半ばではあるがいきなり三者連続三振を奪う。

「いや、いい、いい、このピッチャー」「もっとスピード出てるように見えるよ」

この快投に豊川はその裏、1死から振り逃げで走者を出すと高橋君が安打で続きモイセエフ君がライト線に強烈な2塁打で1点を返しなおも2・3塁。

「きたー」「打球が速いわ」

4人組はもう豊川応援団と化していた。そして北田君の安打で4−3と迫った。さらに7回には6回途中からマウンドに上がっていた高知の平君に対して林君のタイムリーでついに同点。4人組は最高潮に盛り上がったが高知は8回に筒井君がレフトスタンドに本塁打。9回にも箕浦君のタイムリーで6−4とリードした。高知が地力を見せつけたかに思えた。

だが・・・

豊川の勢いはまだ死んではいなかった。その裏連打で無死1・2塁から犠打で送り高橋君のタイムリーとモイセエフ君の大きな犠牲フライで同点に追いつくのだ。

再び息を吹き返した4人組。タイブレーク。10回の表の高知はバントが安打となって無死満塁。さらにパスボールで高知は1点をいれなおも無死2・3塁だったが、内野ゴロで本封され併殺で1点止まりだった。その裏の豊川は送りバント失敗で1死1・2塁。しかし鈴木君のタイムリーで11回にはいる。

「高知も1点ただ貰いでそのあと2・3塁から0点だもんなー」「豊川はバント失敗で1点とってるしー」「いやー、この試合、めちゃくちゃ面白いわ」

確かにその通りだ。そして11回、高知はバントを成功させ四球で満塁から犠飛で1点を奪ったがそこまで。その裏の豊川はまたしてもバントを失敗で1死1・2塁。しかし内野ゴロで2・3塁とすると高橋君の打球を前進守備のセンターの頭を大きく超えてボールは転々とし、2者が還って逆転サヨナラとなった。

3時間を超える試合だったがそれを感じさせない緊迫した試合だった。

「この試合、お腹いっぱいになったわ」4人組はそういって球場を後にした。豊川はエラーやバント失敗も多かったがみんながのびのびと野球をやっていた。そして豊川の最後にマウンドに上がった竹内君は背番号14でガイドブックによれば内野手とある。もう投手を使い果たしていたのか。たしかに9回の裏に先頭の4人目投手だった本田君に代打が送られた。2点差で負けていた場面だ。監督もまさか追いつくとは思っていなかったのだろう。しかしその代打の三浦君が安打を放って同点に追いつきタイブレークとなった豊川は投手を使い果たしていた。

勝つときはそういうものだし、こういった経験は大きいだろう。さらに豊川はまだ試合ができるのだ。球速が何キロだとか通算本塁打が何本だというような選手はもちろん戦力として大事だ。しかしこんな選手が試合をひっくり返してしまうことがあるのも高校野球だ。

本当にお腹いっぱいになるような高校野球らしいいい試合だった。



2023年11月16日 第54回明治神宮野球大会 高校の部 準々決勝(於 明治神宮野球)高知
000 400 011 11 = 8
000 003 102 12x = 9
豊川
   (大会規定により10回よりタイブレーク)

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