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2023年09月04日00:48

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高円寺駅近くにある昆虫専門店って、まるで博物館みたいでした。ドキュメント72時間「真夏の昆虫専門店で」(NHK 2023年9月1日放送)を見て。

まず、昆虫を専門に売っている店が都内にあるということで見ました。それが高円寺駅からすぐのところのビルの3階にあると言われてビックリ。そんな店は普通1階にあるはずだろう、と思っていたからです。しかしこの店は、日曜日の午後から取材を始めたところ大盛況なのでした。子供連れのお父さんお母さんで実ににぎやか。

以前、一世風靡セピアから俳優に転じた哀川翔が、カブトムシやクワガタムシなどを飼育しているという番組を見た記憶があります。そのころ“世界最大のカブトムシ”として、ヘラクレスオオカブトという名前を覚えたものです。この昆虫店にやってきた少年は、哀川翔がテレビでそんな話をしていた頃には生まれていなかったのではないか? そんな少年が“ヘラクレスオオカブトが欲しい”などとのたまうものだから、どひゃーっ!でした。

以前、僕は日記に書きましたが、僕は小学生時代に夏休みや春休みになると祖父母の住む田舎に預けられ、そこには同年代の遊び仲間がいて、川で鮎を釣ったり、ミヤマクワガタを見つけては採取していたのです。特にミヤマクワガタを奈良市に持ち帰ると、大いに珍しがられていい気分でした。←後にミヤマクワガタよりもノコギリクワガタが数多くいて、カブトムシよりクワガタムシが希少なのだと知ったしだい。

てな訳で、僕は山でウサギを追ったことはなく、川で小鮒を釣った記憶もありませんが、この昆虫店に集まる子供たちには大いに共感しました。とはいえ誕生日祝に5000円の昆虫だなんて、それはあんさんチト行き過ぎでっしゃろ。しかし今どきバースデーケーキでさえ5000円程度するか…。

さらにこの店には、標本化された昆虫たちがケースにずらりと収納されていて、若い女性が熱心に蝶の品定めをするのでした。これを見た僕はすぐに「羊たちの沈黙」のポスターを思い浮かべました。クラリス・スターリングの口に希少な蛾が配置された、不気味なキーアートです。

この若い女性は、カラフルな蝶を買い求めていました。いわく“対人恐怖症みたいなものがあるから”だって。きっと大宮小学校でミヤマクワガタを配っていた僕も、子羊たちの鳴き声には関係ないけれど、おかしなオタク少年だったのでしょう。しかし僕は、雑木林に分け入ったら簡単に手に入るクワガタムシを、飼育することはしませんでした。夏になれば手にはいるんだから。

つまり転校してきたばかりの小学2年生が夏休みの自由研究として、カブトムシ、ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタの雌雄をずらりと並べ、さらに何種類かのカミキリムシも並べた標本箱を提出した訳で、その標本箱はやはり異彩を放っていたと記憶します。

すぐ近くに住んでいた同級生の細井君が、“俺が北村と仲よくしてるのはクワガタムシがもらえるからや”と公言していたのも事実。やはり転校してきたすぐには、“生駒山”がどれなのかも知らず、“アホや”と笑われていた悔しさから脱却できたのはミヤマクワガタのおかげかも。

そんな70年近く前の話がじつにくっきりと思い出された「ドキュメント72時間」でした。やはり自分の人生を振り返らせる番組や映画って、なかなかのものですね。
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