mixiユーザー(id:6327611)

2023年08月25日05:45

47 view

中日ドラゴンズ立浪和義監督の“姿勢”は“時代遅れ”だろうか? FNSドキュメンタリー大賞「恩返し〜 立浪和義 ミスタードラゴンズの第二幕 〜 」(制作 東海テレビ )を見て。

BSフジで放送した1時間のドキュメンタリー「ドラHOTプラススペシャル 恩返し〜 立浪和義 ミスタードラゴンズの第二幕 〜 」を見ました。2022年に中日ドラゴンズの監督となった立浪和義の就任一年目を追ったドキュメンタリーです。

就任2年目の2023年シーズンは現在、各チーム30試合程度を残す終盤戦となりました。しかし中日ドラゴンズは最下位に低迷、首位の阪神から大きく離され、対阪神のマジックはなんと“5”となっています。8月22、23の大阪ドーム2連戦も連敗でした。そんな立浪監督のドキュメンタリーを、いまごろなぜ見たのかと言うと、BSフジで放送していたからです。

僕は立浪監督にインタビューしたことがあります。当時僕は“プロ野球CD”というインタビューCDを制作・販売していたので、立浪選手と与田選手に取材するため、'91年の春季キャンプの沖縄まで行きました。'90年に3割を打った立浪選手の人気は絶大だったのですが、インタビューすると“これからはもう与田さんの時代ですよ”とそっけない。

どうやら我々のインタビューCDが、若い女性ファン達に向けた商品で、結婚して長女をもうけたばかりの立浪選手には“面映ゆい”感じだったのでしょう。そして僕は、社会人を経て大活躍したばかり与田選手との、実に楽しいやりとりに狂喜してしまったのでした。

しかし今回、低迷する中日ドラゴンズの監督として苦悩する姿を試合で見続け(阪神ファンとしてはありがたいのですけどね)、フジテレビの取材に対して淡々と応えている姿にうたれる部分がありました。とにかく真面目な、そして一途な人なんだなと再確認したしだい。

強烈だったのは、先輩の清原和博をキャンプ地に招いたことでした。覚醒剤使用ということで刑事責任を問われ、各球団からシャットアウトされていた清原氏を、立浪監督はキャンプ地に招いて若手選手達に紹介します。清原・桑田のKKコンビは、野球少年だった立浪のアイドルであり、その姿に憧れてPL学園入りを果たしたのだそうです。

そして2000本安打を記録した東京ドームの試合で、なんと相手チームの清原から花束を贈呈してもらっていました。いま中日の大島選手が2000本安打にあと2本と迫っていますが、その阪神戦の第二試合には代打としてしか起用せず、本拠地名古屋での記録達成を演出しているのに…。

立浪選手は大阪摂津市に生まれ、小学生時代から少年野球に身を投じています。1969年生まれですから、僕の仲人さんが住んていた摂津市です。もしかしたらすれ違っていた可能性もある。←立浪監督の誕生日が僕の息子と同じということに、今まで気づかなかったくせによく言うよ。

とにかく立浪監督は、一途で真面目な方なのだとこのドキュメンタリーを見て思いました。しかし同時に、その一途さや真面目さが選手たちにきちんと伝わるかどうか、それが僕には疑問です。

つまり昨年開幕9連敗し、一休みして7連敗した阪神タイガースを見てきたわけです。そのダメ虎が、岡田監督を迎えて今首位を独走しています。これは“選手操縦術”というものではなく、若い選手たちの考え方が大きく変わっていることの証だと思っています。

かつて川上巨人は、実にスキのない野球を実践し、同時にONというプロ野球史上稀に見る強打者を揃えていました。僕はダメ虎だった阪神が、昨年とは見違えるような成績を残していく姿を見て、野球は変わったと実感しています。いいや、僕は今年のWBC野球を見て、初めて野球の面白さに目覚めたのかも。

つまり、全力で戦う両チームの、しかしちょっとした違い(これを運と人は呼ぶ)が勝敗を分ける、その差に着目することができるようになったのでした。阪神と巨人の試合で言えば、巨人の外国人選手がホームランを打ったと確信してセンターオーバーのヒットを単打にすれば、パ・リーグで四番だった強打者がチャンスに内野ゴロを打ち、打った瞬間“しまった”と感じたためスタートが遅れ、らくらくと併殺になってしまったわけです。

一方の阪神はDeNA戦で、佐藤輝明のセンターへの飛球が僅かの差でフェンス直撃となり、DeNAのソトが放った打球はライトフェンス手前で森下のグラブに収まりゲームセットとなりました。今年ほとんどの阪神勝利試合をYouTubeで確認している僕は、その“わずかな差”が、マジック23(8月24日現在)へとつながっているのだと確信しています。

しかし立浪監督は、一途にご自分が進んできた道を貫こうとしています。このドキュメンタリーでも明確に捉えていますが、監督の方針についてこない人間は外すからなと発言し、実際レギュラーだった野手がトレードされています。僕はこの考え方には敬服するものの、やはり“昭和の野球”は時代遅れではないかと感じるのでした。

つまり野球は今、大谷翔平の出現によって大きく常識が覆っています。もちろんみんなが二刀流を目指すことが野球だとは思いません。しかし、大谷に代表される“とことん自ら努力してスターとなる”という方向性が“現在の野球”なのだと感じています。みんなそれぞれ努力している、努力しているけどダメだという選手は、落合博満が言うように“その程度の努力は努力ではない”のです。

とはいえ、僕は立浪の一途さには感じる部分があります。二十歳そこそこの選手だった紅顔の新進選手が、“これから与田さんの時代ですよ”と言ってのけた、その姿勢を僕は忘れません。彼ならではの現状認識、それを基本として対処しようとする方向性、それを成し遂げる努力、そこに立浪和義の強さがあると確信しました。

問題は、21世紀の日本という状況が、彼のような考え方をきちんと評価できるかどうか。そして彼の真面目で一途な理解を、周囲がどう受け止めるかだと思います。しかし石川や細川の活躍を見ていると、3年後のドラゴンズは怖いと思う。阪神タイガースならあと3年を立浪監督に任せることはしないと思いますが、中日新聞は冷静に判断するでしょう。←“インタビューCD”に理解を示してくれたあの感覚が残っているのなら、ですけど(笑)。

しかしサイン会のイベントで、観客にマイクが渡らないと見ると自ら演壇から降りて駆け寄るという、あの感覚は大事ですよね。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年08月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031