反転攻勢、反撃だのと色々と書いたが、ゼレンスキー大統領の声明通り、ゆっくり進んでいる。
現場の兵士たちにとっては攻勢が緩慢の為、神経戦となり、大変だと思うが、これには理由があると考えられる。
その理由を幾つか探ってみた。
・ロシアの攻撃軸を探っている
イギリスのケンブリッジ大学の調査によれば、ウクライナ軍はバフムト、ドネツク州で戦闘を故意に激化させ、そこを攻撃の主軸に見せかけ、ロシアに揺さぶりを掛ける一方、どこから南部の要衝・メリトポリを狙っているか分かりにくくするため、ロシアの戦線を間伸びさせているのではないかという。
・巡航ミサイル、対空ミサイルが枯渇しつつある
これは当のウクライナ軍が痛い程よく把握しているはずだ。実際、アメリカのバイデン政権も遂に日本や韓国にも配備済の中距離戦術対空ミサイルのエイタクムズをウクライナに遅くとも2024年までに配備をほぼ決めたようだ。このミサイルは既に供与済のハイマースで運用が可能だ。
しかしそれでは間に合わないというので、ドイツは長距離巡航ミサイルのタウルス(射程距離約500kmでイギリスのストームシャドーの約2倍)の供与を提案している。
因みにタウルスは韓国軍もドイツから導入し、配備済だ。韓国は当初トマホークをアメリカに要望したが、アメリカに断わられた(当時の韓国は今以上の反日国家で、いつ寝返るか分からないと警戒されたため)事で、ドイツから導入した経緯がある。
・そして次のゲームチェンジャーF-16
ゼレンスキー大統領の広島訪問の最大の成果はアメリカのバイデン大統領の前でF-16の供与を居並ぶ他のG7の首脳たちの前で公約させたことだ。
日本を始めとする、他のF-16が配備されている国は「アメリカがYESと言ったら供与しても良い」という態度で及び腰だった。
相変わらず日本のマスコミ御一行様は天動説的な見地からしか広島G7サミットを論じていない。直接の当事国ではない、軍事的には所詮アメリカの「腰巾着」に過ぎない、日本ごとき国を重視などしているはずがなかろう。
ただ流石にゼレンスキー大統領もさるもので、この試みが上手く行かなかったときの為、対ロ強硬国の北欧、ポーランドにも選抜隊を派遣、スウェーデンでは自国の戦闘機・サーブ39グリペンで実機を用いた訓練を続けている。豪州もF-35に刷新したいので、FA18戦闘機の供与を申し出ている。
こうしてみると、日本は分からず屋の渋ちん「Z省」のせいで自衛隊の兵器の刷新がなかなか進まない。勿論日本は直接の当事国ではないため、ウクライナに直接供与は出来ない。しかし欧州のどこかの国に一度売却し、そこから供与するという方法もある。
現にイスラエルがウクライナに第三国を経由し、戦車の実質供与を申し出ている。こういった方法もあるのだ。
烏ロ戦争は戦闘自体が長期化、激化して来たが、それを更に上回るかもしれない衝撃が迫っている。
それは2024年3月に実施予定の大統領選挙である。
この選挙で何が起きるのだろうか。
それについては次回にしたい。
最後まで御覧頂きまして、ありがとうございました。
(続く)
写真左から、最初のゲームチェンジャーとなった、アメリカより供与されたハイマース
ドイツが供与を提案している、射程距離500kmの巡航ミサイル・タウルス
実戦配備が期待されているF-16ファイティングファルコン
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