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2023年06月02日22:25

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課題先進国の出番が来る

■「異次元」少子化対策はただの「子育て支援」■

この国は第三次ベビーブームが起きなかった事で少子化は決定的だ。岸田政権は色々とやろういう姿勢は見せているものの、この政権がしようとしているのはただの「子育て支援」に過ぎない。

第三次ベビーブームの担い手とは90年代に就職活動をしていた人たち、特に団塊ジュニア世代あたりが該当する。

90年代、新聞を見ると「政治改革」という名前が躍っていた。平成後半の生まれの方達の為にご説明すると、聞こえが好いが、やっていた事は何の事はない。当時の与党政権の議員たちが当選しやすくするため、中選挙区制から小選挙区制に移行したに過ぎない。

この間、学生の就職難は放置された。政治屋たちは未だに絶対に認めようとしないが、これによって就職氷河期世代が生まれたのである。この時代の特に女子学生は200社DMに申し込み、20社セミナーに行き、1社内々定もらえれば御の字という状態だった。これが平均だ。

結果、バブル世代(昭和40〜45年生まれ)と比較し、35歳年収をNHK、リクルート、東急エージェンシー、総理府などの統計から胸算用した結果、

平均211万円

一部上場企業勤めでも平均94万円

も低収に押さえつけられたのである。

これでは結婚しない方が目先の事を考えればお利口さんというものだろう。特にこれは荻原弘子さんあたりも仰せだが、日本はOECD諸国で最も子どもに政府がおカネを出さない国なのだから。

異性と付き合って結婚し、子どもを設けるといった人並みの幸せすら叶わず、食うや食わずの人たちが多数出たのである。

一体どのような政策を以って、「異次元」と言の葉を「トッピング」したのか、岸田首相に是非お聞きしたいものだ。

喩えていうならば

きっしー:「機内食を充実しました、客室乗務員のサービスを充実しました、ソファーを豪華にしました。」

ジャネイラ:「いやいや・・・おカネが無くて、これだけ飛行機に乗りたくても乗れない人がいるんですけどね・・・。」

といった具合にズレているのである。

もし岸田首相が多少なりとも本気で、90年代の轍は踏みたくないのであれば、「異次元」という意味不明な言の葉を弄んでいる場合ではない。

おカネが無くて結婚を諦めている若い人たちが大勢いる事を考えれば、放置すれば少子化は益々進む。

結婚適齢期の人たちが先ず結婚出来るような環境を整えるべきである。

■無人化大国への道が日本経済を救う■

但し人口減になると、経済が減退すると決まっている訳ではない。

実例を列挙しよう。

「覇権国」という言葉のひな型になった国、地域はイタリアだった。特にルネサンス期。

この時代、全世界から富が集まって来た。ではさぞや人口が激増したのかと思いきや、実際には正反対で、ルネサンスに入る少し前のイタリアの人口は約700〜900万人。それが最盛期は逆に約550万人にまで激減した。ではなぜ人口減で繁栄を得られたのかといえば、生産性の向上である。

日本も見倣うべき部分である。いや、既に黙っていてもその方向に走っている。

実際、最近新聞に登場しない日はないほど書かれているAI。社会自体が無人化の道を進んでいるのは間違いない。ご自分の事をデジタル弱者だと思い込んでいる人は日本には多いようだが、それほど悲観することでもない。無人化、省力化は日本の「お家芸」だ。実例を列挙するだけでも軽く2千文字は書けてしまうのでやらないが、これは世界的傾向にならざるを得ない。アメリカのように人口が移民で黙っていても増える特殊な国は別だが、大半の国では人口は減るからだ。

そこへ来て日本へサプライチェーンが回帰しつつある。実例を簡単に列挙すると、

・HPが中国の拠点を縮小、東京都昭島市に工場を移転→MADE IN TOKYOブランドとしてPCを販売中。
・半導体受託生産のTSMC(台湾)、SONY、デンソーと共同工場を熊本県菊陽町に立ちあげ、半導体製造を2024年から開始
・アップル、中国河南省鄭州市から印・越両国に生産拠点の移転を検討しているものの、日本も候補地のひとつに入る。

といった具合にである。日本が候補に入り出したのはチャイナよりもトータルコスト(リスク面が大きい)では日本の方が割安だからだ。日本に生産設備が戻り、技術が戻り、人も戻る、賃金が上がり、デフレを脱却出来る。これで少子高齢化のビハインドの部分の大半を相殺出来る。最近株価が上昇しているが、我々日本人は気づいていないが、日本式経営が外国人投資家の間で再評価されてきている事、度の過ぎた統制国家のチャイナとこれまた極限と言っても良い、市場原理主義国家のアメリカに挟まれ、比較されている事も大きいだろう。

■勤労者はリスキングが最大の課題■

無人化、AI化、自動化は今後のトレンドで、最早止めようがない。やり方次第では少子高齢化のネガの解消も期待出来る。

但しそのシナリオに行き着くには自分を含めた勤労者ひとりひとりがスキルを磨かないと置いてきぼりになり、低収しか得られなくなる恐れがある。

無人化、AI化、自動化は今後のトレンドであれば、特にミスマッチの解消が重要な課題となる。介護関係の有効求人倍率は2021年は3.9倍と高止まりしている一方で、一般事務は0.36と10倍もの開きがある。飲食業は例えばすかいらーくグループが配膳ロボを導入しているものの、それでも有効求人倍率は依然として3倍を超えている。相変わらず土木関係は5.0倍を超えている。この分野は流石に無人化が期待されるだろう。

このように人余りと人不足の実態が数値から読み取れる。一般事務の人たちは例えば敢えて逆のきついと思われている、介護関係の資格の取得に挑戦するのも一案だ。また今後は無人化、AI化、自動化を視野にいれ、ドローンの資格を取得するのも良いかもしれない。ロボットが故障した際のシステムを直す業務とか、そういった人財が求められる可能性も非常に高い。その手の人財育成プログラムは今後あちこちに出て来るはずだから、申し込み、スキルを得るのも良いだろう。

そう思うと、「さあ、大変だ」と思うかもしれない。

しかしながら技術、国民性、人件費、為替、更に地理的位置を考慮し、俯瞰的に見ると日本ほど有利な地位にある国はない。戦争さえなければだが。

喪われた30年と批判され、課題先進国と揶揄された日本。しかしその「課題」こそが今後は強みに変わる時代が訪れようとしているのは間違いない。

(了)

■少子化対策、負担ぼやかす岸田首相=野党、「衆院解散布石」と警戒
(時事通信社 - 06月02日 08:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=7434726
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