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2023年04月04日00:37

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坂本龍一さんの死に、頭を垂れた

坂本龍一さん死去、71歳 YMOで一世風靡 戦メリなど映画音楽多数手掛けた「教授」
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=7360807

 2022年の夏が始まろうとする頃だった。図書館の雑誌棚で文芸誌「新潮」を手に取ってみたら、そこに坂本龍一の「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」というロング・インタビューが掲載されていた。連載インタビューのようで、その号では高校時代の政治的目覚めや進路に悩んでいたことを振り返っていた。タイトルからして、そう先ではない近未来の死を前提とした回想録だった。たぶん初回か第2回目だったように思う。
 以来、毎週一回は図書館に通っているので、「新潮」が出るたび坂本の独白を読むようになった。が、回を追っていくうちに、山田風太郎の『あと千回の晩飯』と同様、案外と坂本の死は天の神様によって先送りされ、それより自分のほうが早く亡くなったりして、などと自嘲した。
 年が明けて2023年1月の発売号で連載インタビューは終わった。同じ頃、NHKで坂本のピアノライブが放映され、「入院中も頭に旋律が流れるとすぐさま忘れないよう採譜していた」などと語っている表情を見ていて、肉体的には闘病が堪えているかもしれないけれど生きる気力に満ち溢れている(=energy flow=坂本の名曲)限り、ずっと生きていてくださるだろうと安堵した。
 
 昨日(2023/04/02)の午後10時半だった。iPhoneでヤフーアプリを開いたら、坂本龍一逝去の記事がトップにあった。3月28日にお亡くなりになられたらしい。
 虚を衝かれた。
 すぐさまYou Tubeにあがっている坂本龍一とYMOのライブ動画を見始めたら午前1時半になった。最後はCDを取り出してミニコンポでいい音を鳴らして気を鎮めた。
 やりきれない哀しみで丸1日経ってもずっと心がうつむいている。感情の起伏を増幅させるように、泣いてみたらすっきりするのかもしれないが、自分には合わない。
 昼間、宮沢賢治の本を引っ張り出して「永訣の朝」を15年ぶりくらいに読んだ。死を悼むつらさを誰かと共有したかったから。
 自分より5歳くらい上の世代が一人、また一人と消えていく。
 命が有限である、ということをしずしずと受け止めて、時間の無駄遣いが過ぎる自分を戒めなければいけない、と思う。
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