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2023年03月12日01:39

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10歳のころに見た映画を15年ほど前にDVDで見直していたけど、殆ど覚えていませんでした。フランク・タシュリン監督「女はそれを我慢できない」(1956)。

20世紀フォックスがマリリン・モンローというドル箱スターを得たので“2匹目のドジョウ”を狙ってジェーン・マンスフィールドを売り出そうとした映画です。「七年目の浮気」(1955)でモンローの相手役を努めたトム・イーウェルを相手役にし、ギャングの情婦であるジェーン・マンスフィールドを売り出そうとする展開です。

冒頭、シネマスコープ画面の真ん中にスタンダードサイズでモノクロのフォックスマークが現れます。画面に登場したイーウェルが“シネマスコープ”と言うのですが画面はスタンダードのまま。彼が手で合図すると左右に広がります。さらに“総天然色”と言うのですがモノクロのまま。苦り切ったイーウェルが不満そうにするとじんわりと色がついていく、という寸法でした。

1956年の公開時にアメリカではカラー放送が始まっていたようですが、まだまだ一般的ではなかったわけで、カラーでシネマスコープという華やかな映像スペクタクルを売り物にして、テレビの攻勢を退けようとしたのでした。しかし日本では、映画産業隆盛のころに大型画面を導入し、その後テレビと対抗する羽目となったため、映画は斜陽の一途をたどりました。そんな時代の動きが懐かしく蘇ります。

もうひとつ、ギャングの情婦であるジェーン・マンスフィールドが、七人の男兄弟と暮らしていたことから、料理や家事全般をきちんとし、極めて家庭的だという設定でした。これはアイゼンハワー政権が復員兵を仕事に就かせるため、“女は家庭を守るべし”とキャンペーンを張ったからで、それを受けた内容のコメディーなのです。

てなわけで、当時のロックンロールやポップスのスター歌手やグループが次々と登場し、それぞれ持ち歌を披露します。中でも、イーウェルがスター歌手に育て上げ惚れ込んでいたという設定でジュリー・ロンドンが登場し、“クライ・ミー・ア・リバー”が流れると様々の衣装姿でロンドン嬢が画面に現れるのでした。
https://www.youtube.com/watch?v=OAAq2O9bjKM

そんな音楽バラエティー番組の王道というものを、カラー&シネマスコープで楽しませてくれます。ロックンロールが好きな方には垂涎のパフォーマンスが見られますし、コーラス・グループのプラターズには、僕が知ったときには抜けていたトニー・ウィリアムズが在籍していたのでした(写真2)。←ハーバート・リードの低音の魅力はすでに有名でしたね。

ところでジェーン・マンスフィールドは1967年に交通事故で亡くなりますが、同乗していた3人の子供たちは生き延びました。その末娘のマリーシュカ・ハージタイ(写真3)が「LAW&ORDER性犯罪特捜班」の主役を務め、24シーズンの長きにわたって活躍しています。お母さんのような42インチというバストの魅力は望めなくても、女刑事としての長年の功績は母親を凌ぐものがあると思います。←嘘だと思うなら、全話見てみな。

ということで、ジェーン・マンスフィールドに関してはラストシーンで“御御足の美しさ”を味わっただけですが僕には十分でした。ジュリー・ロンドンをもっと見たい方は、ゲイリー・クーパーと共演した西部劇「西部の人」もありまっせ。セクシーなハスキーボイスだけでなく、女優としてのロンドン嬢をお楽しみください。

フランク・タシュリン監督のコメディーなら、ジェリー・ルイスがソロとなったあとの作品がいいんじゃないかな。僕の手持ち作品で良ければ“勉強会”をしましょうか。
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