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2023年03月06日00:48

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初期の放送を見て僕がダメだしした番組が、とても“いい内容”に変貌してきました。テレビ東京の「ワタシが日本に住む理由」。

今回見たのは2023年3月1日に放送した、ブルネイ・ダルサラーム国出身のハンさんの回でした。ブルネイという国はボルネオ島の北部にありますが、僕の高校では「世界地理」の学科で教えてもらった記憶がありません。当時(1963年ごろ)はイギリスの植民地という認識だったのかも。1984年にイギリスから独立し、国連に加盟したようです。

そしてブルネイという国は王国で、世界一の金持ちに選ばれたこともある王様がいて、国民から税金を取ることなく、教育なども無料だという話です。そのブルネイから日本に来て7年というハンさんは、ロボット工学の勉強をするため日本へ来たそうですが、実は剣道のブルネイ代表選手でもあるそうで、IT企業に務める傍ら剣道具の製造を学んでいるのでした。

なぜ“IT企業に務める傍ら”なのかというと、剣道具を作るだけでは生活が成り立たないから。たとえばハンさんは一式50万円もする剣道具を購入していますが、これを作ったハンさんの恩師は、おそらく2か月以上かけて作ったことでしょう。それなのに50万円しか手に入らないのなら、まず生活できませんね。

大先生でそれですから、弟子を取って仕込むという徒弟制度は成立しない、というのが実態のようです。しかし熱心なハンさんは、週末になると大和部道具株式会社へ通って、武具作りに励んでいるのでした。

この番組で、“上等な武具を身につけると、面を打ち込まれても痛くない”という話が出て、僕も同じことを何処かで聴いたことがあると思い出しました。ハンさんの説明によると、面の金具に革と布を麻糸で縫い付けるのですが、そのバランスが絶妙だと衝撃が吸収されるのだとか。

つまり古来我が国では、道具に魂が宿ると語り継がれているわけで、そんな銘品を作る技術を日本人が受け継いでいくことなく、ブルネイのハンさんに託されているのだという事実に驚いたわけです。

この「ワタシが日本に住む理由」は、余計な通俗的仕掛けをラストに持ち込んでしまい、僕は初回放送時にルビー・モレノをゲストに迎えながら「月はどっちに出ている」をMCの高橋克典と繁田美貴が、どちらもビデオを見ずして番組を進行していた杜撰さに怒り心頭だったことを、またしても思い出してしまいました。

しかし最近は、ウクライナから来日した郷土楽器奏者のエピソードがあり、そこへロシアのウクライナ侵攻という事件が勃発して、彼女のお母さんを日本に呼び寄せる話に発展しました。僕はそのずっと前から、河内でドイツ系のおばさんが自転車のブレーキを軋ませながら大阪弁で走り回る姿などに惹かれて、この2〜3年(もっとか?)は欠かさず見ています。秋田でソーセージ作りをしている“食べるの大好き”タベルスキーさんの話もよかった。

そんな中でも、このブルネイから来たハンさんのエピソードは秀逸でした。ハンさんが「ドラえもん」に惚れ込んで“ロボット工学を日本で学びたい”と早稲田大学の理工学部に進んだこと、そしてその新大久保の校舎からさほど遠くない落合あたり(住所表示は渋谷区)に大和武道具株式会社はあるのでした。

さらにハンさんが恩師と慕う伊藤ツヨシさんは亡くなり、現在はその兄の喜一郎さんに教わっています。いや、教わっていないな。喜一郎さんは、黙々と作業するハンさんを見つめているだけ。番組取材中に見かねて運針の方法を手ほどきすると、“教えてしまった”と後悔しているのでした。習うより体で覚えよということか。

そこまで“道”の厳しさに徹した“教育”なのに、喜一郎さんの孫娘と並べてハンさんに“結婚はいいものだぞ”と語る映像を見せるなんて、あまりにも俗っぽい展開ではありませんか。ハンさんは、そもそも結婚するよりも技術を身に着けたいと、きっぱりと発言しているのに。

ということで、かつてはクソミソに貶してしまった番組ですが、それ以後紆余曲折があったものの、ここまで内容が煮詰められると見続けた甲斐があったというものです。さて、次はマイミクのドラゴン・リーさんの奥さんの逸話を売り込まなくちゃ。でもまだ日本に住んで間がないから、もうすこし話が煮詰まらないとだめかな。まずは電話しないと。←メールで受け付けることはしていないみたいですね、テレ東は。
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