mixiユーザー(id:6327611)

2023年03月05日05:31

84 view

見当違いの“ユーモア”は唾棄し、同じく“革命”なんか相手にしないように。マルタン・プロヴォ監督「5月の花嫁学校」(2020)。

はい、当時54歳のジュリエット・ビノシュが主演の“ユーモラスな”コメディーだそうです。舞台は1968年5月のアルザス州。そこで良妻賢母を生み出そうとしていた花嫁学校におけるドタバタ劇でした。校長のポーレット(ジュリエット・ビノシュ)が、オーナーである夫と、その妹ジルベルト(ヨランド・モロー)らと学校で花嫁講座を行っています。

くだんの花嫁学校が、前年より15人も生徒が減ったと騒いでいる中、オーナーである夫が突然死んでしまい、存続の危機が訪れます。ところが銀行の融資担当がポーレットのかつての恋人ということで、話はそちらへと傾き、さらにフランスに五月革命の嵐が巻き怒る、というもの。

アルザス地方にある花嫁学校、という設定だけでフランス人には“意味”があるのかな? 僕にとってアルザス=ロレーヌという地域は、せいぜいシュバイツァー博士の生地だという認識しかありません。だから1968年当時に熟年だった世代は、みんな第一次大戦も体験しているし、生まれた頃の国はドイツだったんでしょう。←だからどうしたという描写は、この映画に皆無です。

でもって、昔の恋人との愛に火がついたり、なんやかやが巻き起こり、ラストは貸し切りバスでパリへ乗り込んで“一大ミュージカル”へと展開します。それが何やねん?となるだけの映画でした。ルイ・マルの「五月のミル」を見ていたら、こんな馬鹿騒ぎの映画につきあう気は起こりません。

あ、アダモの“雪が降る(Tombe la neige)”がお好きな方には、いいかもね。義妹のジルベルトが大音響でかけてくれます。僕は8小節くらい聞き進まないと題名が出てこなかったので、何の意味も感じませんでした。

ということで、同じ年代のプラハでトマシュを奪ったビノシュは、花嫁学校の校長として若い女たちを引き連れてパリに乗り込みますが、単に舞い上がっただけで何も反省しないのでした。それに比べるとトマシュを奪われたレナ・オリンは、「愛を読むひと」があり「もう、歩けない男」があります。←そして「蜘蛛女」も!

結局僕にとってビノシュは「新橋の恋人」であり「三色パン(じゃなくて愛だった)」あたりのチャライ姐ちゃんでした。せいぜい「アクトレス 〜女たちの舞台〜」(2014)だけど、あれも良かったのは70ミリフィルムで撮影した“アルプスを這う巨大ヘビ”だけでしたしね。

やっぱり女優さんは、“旬”の時期の“お肌の感触”が“イノチ”なのだと感じました。つまり生鮮食品なのですから、賞味期限があるようです。←だから映画は、リマスターして永久保存が望ましい。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年03月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031