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2023年02月10日22:15

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デジャヴ【60年前の危機と似て来た】

■スパイバルーンだけでなく、ロシアへの輸出疑惑も■

PRCのスパイバルーン、日本を含め、40か国以上の領空で偵察気球が無断で飛来していた事が発覚、軍事施設上空を通過された事にバイデン米大統領は撃墜し、機体を回収するよう指示。

戦闘機のF-22が空対空ミサイルのサイドワインダーで高度1万8千メートル上空に飛来していた気球を撃墜、残骸は大西洋上の少なくとも半径11キロメートル、水深14メートルの範囲に散らばり、現在、米軍が回収作業を急いでいる。米軍によれば、作業は何週間もかかることはなく、数日のうちに気球の正体が判明する見通しだ。

実は本件明らかになる以前より訪中でロシアに対する支援をやっていないか、ブリンケン米国務長官は中国を問い質す積りだった。しかその矢先にWSJ(ウォールストリートジャーナル)で中国の企業がロシアに軍事転用が十分可能なパーツを輸出していた事が判明。

ジェイク・サリバン補佐官は昨年ローマで当時中国のナンバースリーの楊潔チ(注)と数時間に渡って言い合い、「ロシアに軍事支援していた事が発覚したら、セカンド・サンクション(おまえの国もロシアと同罪)だぞ。」と釘を刺したばかりのことだ。

ブリンケン米国務長官は電話会談すら拒否した。これで米中対立は決定的なものとなった。

日本のマスコミは相変わらず殆ど報じないものの、それまで日本への巡航ミサイルの配備について、アメリカが慎重だったのが、このスパイバルーンとロシアへの軍事転用が可能な品目の貿易が発覚した事で、アメリカが逆に乗り気になって来た。

アメリカも中国もロシアも戦略核ミサイル(大陸間弾道弾)は持っているが、世界を破滅させてしまうから、使えない。だが戦術核程度であれば、局地戦で使える為、現実的にはこのミサイルこそ、最強のミサイルという事になる。この戦術核だが、中国の持つ戦術核はグアムしか届かない。アメリカの戦術核に至っては中国本土に届かない。

しかし中国の戦術核は日本、台湾、韓国には届いてしまう。

そこで日本や台湾といった、第一列島線にトマホーク(注・写真)を配備させ、アジアでの軍事的均衡を量るのがアメリカの狙いである。

巡航ミサイルというと、日本人にとってお馴染みなのはトマホークで、核弾頭が搭載可能。もし配備されたら、中国としてはまさに喉元に突きつけて来る匕首のようなものだ。

■『ザ・ラストウォー』寸止めまで行くのか■

歴史を見ると、平成生まれの方はご存じないだろうが、キューバ危機と似ている。

▼米軍の有人偵察機のU2がソ連領空を侵犯
▼これを撃墜するやソ連は報復にキューバに中距離ミサイル配備を行なった。
▼アメリカがキューバを海上封鎖

この時の米ソの首脳はケネディとフルシチョフだった。結局アメリカが強く出て、ソ連は折れた。

あの時、米ソがそれぞれ大陸間弾道ミサイルを撃ちあって、人類は終わりかと思われた。

今回これに近い事が起きる可能性はある。だが個人的にはあの時代以上に今は不安定要素が多い。

中国は「馬上、天下を取る国」とよく揶揄される。天安門事件では軍事委員会の委員長に過ぎなかった、トウ小平(注2)が国家主席の趙紫陽をクビにした。喩えて言うならば、防衛大臣が内閣総理大臣をクビにするようなものだ。

それでもまだトウ小平の時代は良かった。何とか彼が手綱を握っていたからだ。しかしその次の江沢民の時代から軍は政権を舐めるようになっていく。当時の軍の幹部は江沢民の事を「あの若造が」と国際ジャーナリストの落合信彦氏に平気で口走っていたという。

なお彼らのリスポンスに衝撃を受け、落合氏は後年『ザ・ラストウォー』というシミレーション小説を書いている。この作品では米中対立が激化し、中国は巧みに日本、韓国を調略、台湾を孤立させ、戦端が開かれるところで終わっている。そこから先は読者が考えてくれ、というスタイルのようだ。

今の習近平国家主席は軍の今回の動きをどれだけ把握していたのだろうか。

もし把握していないとすれば、これも不安定要素だ。

台湾にトマホークが配備されたとしたら、これを機に中国の人民解放軍は一気に習近平政権に詰め寄り、台湾侵攻を画策するかもしれない。

キューバも台湾も地政学的には共に「近接島」である。当時は有人偵察機、現在は無人の偵察気球。類似して来た。

アメリカの民主党政権は中国に甘いとよく言われる。確かにアジアの戦略を考える際、共和党は日本を中心に考えるのに対し、民主党政権は中国を中心に捉えて来た。だがそうはいってもアメリカはだいぶこけたとはいえ民主主義国家だ。民意は無視出来ない。国民はコロナの件で中国政府を決して許していない。何しろこれが超大国かと思うほど、コロナで身近な人たちがたくさん亡くなったのだ。今も準備をしているのかどうかは定かではないが、中国に兆単位の賠償請求をトランプ政権の時は準備していた。

幾ら中国に甘い民主党政権と云っても、民意が許さないだろう。という事で、アメリカが折れて引き下がるようなことはしないはずだ。引き下がれば台湾だけでなく、日本、韓国も「赤いお花畑」に蹂躙されるのは分かり切っているはずだ。

先日アメリカの戦略シンクタンクのCSISが中国の台湾侵攻のシナリオについて発表した。
日本のマスコミがショッキングの余り、報道を手控えたようだが、少しずつ漏れて来ている。そのひとつによれば、

▼日本は当然最前線となる。
▼米軍基地なども波状攻撃を受け、基地周辺は被害を受け、臨時に負傷者収容施設などが林立するほどになる。
▼米軍、日本人、台湾人も数千人規模の人的侵害を受ける。
▼しかし中国も相応の反撃を受け、台湾上陸は食い止められる。

というものだった。

これについて勿論中国は激怒し、「不用意に我が国や周辺諸国を煽るものではない」という内容で抗議した。

何をかいわんやとはこのことだろう。核心的利益だと勝手な理屈をつけ、台湾・尖閣を蚕食しようとしているのは中国である。

蓋然性の追及を試みれば、ビジネスではWSJの記事は事実だろう。しかし習近平政権はアメリカと事を荒立てたくない。となれば、最終的は全面衝突以外の何らかの形で決着がつく可能性が高い。

だがかなり際どいところまで数年以内に行くのは間違いない。場合によってはCSISのレポートを覚悟しておく必要があるかもしれない。

最後まで御覧頂きまして、ありがとうございました。

注1、2 文字化けするので、このように記しました。

■中国の気球、過去には米軍探知できず 回収中の残骸は「返却しない」
(朝日新聞デジタル - 02月07日 11:17)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=7291274
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