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2022年12月30日05:56

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たまには大掛かりな恋愛時代劇も楽しいものですね。アラン・コルノー監督「フォート・サガン」(1984)。

上映時間が3時間2分もあるため、HDDに録画したまま何年も手を付けていませんでした。僕は3時間もある映画だと2層式(DL)のDVD-Rに焼きますので、DR(ハイビジョン画質)で録画します。だからふと、この歴史スペクタクルを“見よう”と思い立ったわけです。たまたま映画館(=株主招待券が使える劇場)で見たい映画もないし。

imdbでスペックを調べたところ、撮影をテクノビジョンで行ったとありました。35ミリフィルムを、通常の35ミリスチールカメラ同様に横に流してフルフレームを使用する撮影法だと思います。だから70ミリプリントも作られたらしい。それを“ブローアップ”と書いてありますが、それならヴィスタビジョンもブローアップとなってしまいますね。

たしか「ラスト・エンペラー」がテクノビジョンで撮影されていたと記憶します(ヴィットリオ・ストラーロ本人から聞いた)から、モロッコやチュニジアの砂漠風景がふんだんに楽しめます。そして「アラビアのロレンス」を彷彿とさせるカットがいくつもある。時代設定は第一次大戦勃発前(1911年)の3年間でした。エピローグとして1922年が出てきますけど。

物語は、シャルル・サガン(ジェラール・デパルデュー)が少年時代に憧れた屋敷を手に入れるところから始まります。庶民の生まれであるシャルルは、軍人として武勲を立てて成功する他ない訳です。父親が下士官止まりだから、シャルルは士官学校を優秀な成績で卒業します。弟ルシアン(フロラン・パニー)もそれに続く、という展開。

ポスターなど宣材にはカトリーヌ・ドヌーヴとソフィー・マルソーがでかでかと描かれていましたが、あくまでもシャルルが主役だし、サハラ砂漠での戦闘が忠心でした。ということで、スペクタクルな砂漠の映像が連続するわけです。しかし僕としては、すでに「アラビアのロレンス」を何度も楽しんでいるから、さほど感激しない。

とはいえ、ゆったりと展開する恋愛劇がそれなりに楽しめました。撮影開始時16歳だったソフィー・マルソーが、シャルルに一目惚れしてアタックするとか、僕には面白く見ていられたわけです。予想通りカトリヌー・ドヌーヴは特別出演でしたが、デパルデューより年上の四十路なのにヌードを披露する“活躍”です。雑誌の袋とじグラビア、ですな。

実は十代のソフィー・マルソーを拝謁するのはこの映画が初めてなのでした。ジャパン・レコードで伊藤つかさを売り出したとき、雑誌に“ソフィー・マルソーと同学年なのに、この胸の差”などと書き立てられた、その御本尊を見ることができました。すでに「LOL(ロル) 〜愛のファンタジー〜」(2008)で母親役を見ていますけどね。

ということで、シャルルがサハラ砂漠で英雄になるまで3年間でした。なのにドヌーヴおばさまにぞっこんというのはアカンやろ。ソフィー・マルソーがオーディションで“裸を見せろ”と言われたあたり、今なら#Me tooでっせ。今からでも遅くない。関係者を処分しろ。←スクリーン・テストのフィルムをくれれば許す。

ということで、世界最大の砂漠を舞台にした恋愛メロドラマでした。「アラビアのロレンス」とは違って時代はヌードOKですから、そのあたりを楽しめばいいと思います。楽しめない方は、シャルルの戦友であり軍医との関係をお楽しみください。←その具体的なシーンは出てこないけどね。

要するに“大正ロマン”を“四畳半ロマン”としてしか追体験できなかったベビーブーマーの我々にとって、砂漠にロマンを求めたT・E・ロレンスやシャルル・サガンは歴史上のアイコンでしかありません。それを朗々と語るスケールの大きな映画ということで、個人的には慌ただしくない年末を、それなりに楽しめたのでした。でも、ライフルの一団を相手に拳銃を撃つな、と言いたい。

ゆっくりと正月休みにこの映画を楽しむのも一興だと思います。そんな余裕が、今はとても大事だと思いますので、ほんのおすそ分けという気分で日記に書きました。←元ロッテの里崎選手が、ご自身の鼻下にあるホクロ(?)を触って仲間に“おすそ分け”とのたまっていた、その感覚です。嫌がって逃げないでね。
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