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2022年12月28日01:21

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CMを挟む放送で録画したバージョンは、やはり保存したくないなぁ。川島雄三監督「幕末太陽傳」(1957)。

BS松竹東急(260ch)で放送したので録画しました。そしてつい最近BSTBS(161ch)で録画してあった落語「居残り佐平次」(柳家権太楼)も見ました。この噺は、きちんと演じたもの(つまりダイジェストではなく、の意)を聴いたのは初めてです。知らない噺家さんだけど、僕と同い年のようですね(早生まれだから学年は彼が1つ上)。

冒頭、尊王攘夷を掲げる浪士たちが描かれ、町人の佐平次(フランキー堺)が浪士が落とした懐中時計を手にします。そこから品川宿の遊郭の説明として、1957年の八ツ山橋付近が映し出される。これを僕はラストシーンだと思っていました。2011年にデジタル・リマスター版を見ていたのですが、勝手に記憶違いしていました。

売春防止法の公布は1956年5月24日、施行は1957年4月1日、そして罰則の施行は1958年4月1日とwikiにあり、この法律の施行に伴い、1958年(昭和33年)に赤線が廃止されたそうです。僕は10歳前後でしたから、リアルな感覚では記憶していません。品川宿に通った経験がある方なら格別の思いかも。

このリマスター版は2011年にヒューマントラスト有楽町で見ましたが、ブルーレイ上映だったようです。あのころはデジタル上映がまだまだ成熟しておらず、DVD上映でもデジタルでございという映画館がありました。何?今でもある?←叩き潰しなはれ。←口だけでっせ、教唆罪で逮捕せんといてや。

ということで今回はBS松竹東急で放送したので、いちおうハイビジョン録画しました。しかしこの放送局は、CMを挟むためにカットつなぎの場面をフェイド・アウト、フェイド・インしますから、本来の映画的リズムが途切れて嫌ですね。これならカット代わりで局ロゴでも出して、CM編集を視聴者に任せてほしいぞ。

とはいえ、いろんな噺をてんこ盛りで展開してくれるので、少しは落語に興味を持ったことがある僕にはなかなかの感激でした。←そのくせ「居残り佐平次」を聴いたのは初めてというナマクラなファンですけど。基本、関西落語(それも米朝専門)ですから、偉そうなことは言えません。だって夢中になった最初がテレビの“山のアナ、アナ…”からですし(汗)。

それはともかく、フランキー堺の居残りぶりがいいですね。旅籠の若衆そこのけに活躍してしまうあたり、実に楽しい。海風にあたりながら療養するという雰囲気がうまく出ています。厚かましくても、いけしゃあしゃあという不遜な感じがない。だから売れっ子の女郎(左幸子と南田洋子)が取り合いするのも頷けます。

あまりにも話がてんこ盛りになりすぎて、勤皇の志士たちは要らんのとちゃうかとさえ思います。とはいえ“御殿山”なんていう地名が出てくるから、そこから徒歩圏内に住む僕にとっては親しみがわきます。先日、渋谷から高輪ゲートウェイ行きのバスの運行が始まったから、試しに行ってみたということもあるし。←八ツ山橋を通るんです。

そして、フランキー堺が羽織など着物をひょいと放おり投げてすいと身に着けてしまう技とか、芦川いづみが風呂を沸かすために鉈で割木を軽く作るあたり、いい感じです。こういう日常作業をすいすいと見せてくれるから、昔の映画はためになりますね。幼児期に見慣れていた姿なのですが、記憶からは消えかけていますから。

先述のとおり、石原裕次郎、二谷英明、小林旭たちの、浪士たちがイマイチの印象でした。現代劇で見慣れているからか? いやいや岡田真澄の若衆姿なんか、すんなり納得してしまうのですから、やはり彼らに違和感があるのです。上海で手に入れた懐中時計というあたりも、もう一つ生きていませんしね。

終盤の市村俊幸のエピソードになると、もうお腹いっぱいなのにケーキが出てきたみたいな印象でした。昼間、小川軒まで歩いていってショートケーキを買ってきたのが余計だったかな。←池島ゆたか監督の「シティ・ドール」を体現したくて、ショートケーキを2ケ買ってきて、ついでにコーヒー・ケトルをニトリで仕入れて、イトーヤの“やわらかミックス”を再現したわけですねん。

ということで、ヤカンから熱湯をドボドボと注ぐよりは、コーヒー・ケトルの方が少しは美味しいなという感じで、劇場でブルーレイを見た印象よりはマシだったかなという今回の放送でした。それでもテレビだとセリフが日常騒音に埋もれでしまうから、できたらヘッドホンで音を聴くべきかな。

いやいや、やはりホームシアターとしての環境を整えるのがいちばんですね。それが実現したら、それこそ“映画館は要らん”ということになります。さて、どうなりますやら。
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