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2022年12月13日06:08

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やはり英語字幕を確認すると、ナマな英会話が見えてきます。テイラー・シェリダン監督「モンタナの目撃者」(2021)再見。

いつもの英会話の課題として取り上げました。DVDには、耳の不自由な人のための原語セリフ字幕(状況説明もあります)が付いていることがあり、コンピューターで見ると英語字幕と日本語字幕が画面上下に出て勉強になるそうです。まだ確かめていませんが、それがあると本当に英語の勉強に最適だと思います。

僕は英語字幕があるのに英語の字幕ドキュメントをネットから探してきて、そのテキストを見比べながら日本語字幕で映画を見直しました。これだと100分のこの映画を見直すのに4時間ほどかかりました。なんとか両方同時に表示させなくちゃ。

この映画には13歳程度のコナー少年(フィン・リトル)が重要な役で出てきます。冒頭には彼が学校で女友達から言われた言葉が理解できず、それを父親(ジェイク・ウェバー)に尋ねる場面がありました。こういう説明場面が、人間関係を浮き上がらせる役目を果たしているから効果的だし、ドラマの奥行きも出ると僕は思う。

そのセリフは“obtuseってどういう意味?”でした。日本語字幕は“愚鈍”となっています。しかし子供のセリフが漢字で出ると、大人の日本人なら意味が分かってしまうから、字幕としては難しいのです。“ニブイ”としたら観客もわからないし、痛し痒しですね。ここでは漢字で正解でしょう。
父親の返答は“イラつくほど鈍いこと”でした。このobtuseという耳慣れない言葉は、やはりアメリカでも日常的に使う言葉じゃないと先生が言ってました。もともとはラテン語らしい。

その会話の最後に父親がコナー少年に、
>Can girls have cooties for one more year, please, while I mentally prepare for what’s coming? 女の子はマセてる/パパの心の準備がまだだ
と語ります。

父親の台詞にあるcootiesを“英辞郎”というページで見ると
>主に米俗〉ばい菌、病気【注意】子どもの間で用いられ、「嫌な人からうつるもの」というニュアンスがある。
とありました。cootiesには“性病”という意味もあるようです。仮病という感じかな。第一次大戦以後一般化した言葉だとか。

コナー少年を13歳だと書きましたが、映画内では明確に語られていません。僕は“今日は化学の試験がある”というセリフを聞いて、高校生みたいだなと思ったほどです。日本では化学という教科は中学からで小学校では理科すね。おっと調べたら、現在の日本では小学校低学年に理科はなく、生活科に統合されているらしい。←ベビーブーマーの僕には分かりませんです(笑)。

息子の試験を無視してオーウェンはモンタナへと逃亡します。
オーウェンいわく“We’re playing hooky.”
このhookyもポイントでした。古い言い回し(old term)で、18世紀ころから使っているそうです。
先生は、グーグルで検索してその使用頻度を折れ線グラフで見せてくれました。原語研究所のデータベースとリンクしているらしい。hookyは無断欠勤や不登校という意味のようです。

このオーウェンの仕事を字幕が会計士(accountant)としていたので、今回見直すまで僕はその単語通りに受け取っていましたが、どうやら検事局で働く調査官のようです。もちろん帳簿類を専門に調査するからaccountantなのでしょう。しかしforensic accountantと言ってましたから、法医学会計士、つまり検事局の人間だと思います。
彼の家には、父子がイーサン夫婦と共にサバイバルスクールにいた写真が飾られてました。←テレビだと判別が難しいけど。

ハンナ(アンジェリーナ・ジョリー)が落雷でケガをして、監視塔(写真3)で治療しているときコナーが心配すると、
>Oh, yeah. I’m peachy.
と返します。意味は just fineですが、絶好調と強がっているわけですね。こんな、わりと簡単な単語が日常で使えるようになると、“けっこう話せる”ようになった気がします。気だけじゃダメだけど、自己満足ですわ。

そしてコナーが救出されて緊急食を食べている場面がなかなかでした。まずいらしく、“こんなもの食べてるの?”とハンナに聞きます。そして“だから痩せすぎなんだ(No wonder you’re so skinny.)”と言ってしまう。
するとハンナは、“細身と言って 細身なの(I’m lean, buddy. I’m lean.I’m lean, buddy. I’m lean.)”と返していました。

skinnyという言葉はネガティブな意味があり、leanが適当だということらしい。こういう使い分けが出来ると、ますます会話に奥行きが出ますね。ハンナとコナーの会話の向こうに、ハンナの気持ち(コナーと暮らしてもいい)が見える気がしました。テイラー・シェリダンの作品だから、そこまで踏み込んでいけると僕は思う。

てなことを今は記憶が新しいからここまで書けたけど、一週間後には揮発していることでしょう。それが老いるということなのです(涙)。
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