青山は先週の対駒澤2回戦の逆転サヨナラ負けの尾を引いていたのだろうか。勝てば優勝という試合だった。
この最終カードが始まる前は自力優勝の可能性があったのは國學院だった。だが國學院は１回戦で亜細亜に敗退。そして青山は最下位確定の駒澤に勝って、逆にあと１勝で優勝という自力優勝の芽が発生した。
19日の２回戦には多くの青山関係者が神宮に訪れた。なんといっても青山は神宮球場にもっとも近い大学である。しかし、８回まで１点をリードしながらも９回の裏、ミスや不運な打球もあってサヨナラ負けを喫したのだった。
しかし、青山はまだ優勝の可能性が消えたわけではない。この駒澤との３回戦に勝ってその後に行われる國學院が亜細亜に敗れれば中央とのプレーオフになる。つまり何はともあれこの試合に勝つしかない。だが、ボクが球場で見る限りそんな気力を青山に感じることはなかった。
今日の第１試合は昨日雨天延期となった２部の専修対東洋との３回戦が行われた。２部はもう専修の優勝が決まっている。この試合は東洋が勝って勝ち点４で専修と並んでも勝率では及ばない。そしてその専修の選手たちは試合には敗れたもののネット裏で弁当を食べながらこの駒澤対青山の試合を見つめている。
彼らにとってはもちろん注目は１部の優勝争いではなく最下位が決定している駒澤の戦いぶりである。逆に言えば入替戦がある以上駒澤もふがいない試合でこの１部の最終戦を終わりたくはないはずだ。
優勝と入替戦。互いに立場は違えど思いがその試合には出る。
青山の先発はエースの北村君。駒澤は本来なら今季は４年生の福山君が中心のはずだった投手陣のなかで春に踏ん張った２年生の松村君だった。ほかにもエーアン君や東田君らの２年生の活躍によって勝ち点２で５チームが並ぶ壮絶な最下位争いながらなんとか勝率で３位を確定させたのだった。
そしてその松村君は３イニングを９人で仕留めた。安打は１本打たれたが、エンドランを掛けられながら併殺に取っていた。
逆に青山の北村君は初回先頭の浦口君に投じた第１球が力なくストライクを取りにいってセンター前にはじき返された。盗塁と内野ゴロで２死３塁から四球で１・３塁。そして岩本君の打球はレフトへ飛んだ。今日は北風が強く観戦しているボクも寒さの絶頂にあったが、この打球にレフトの山中君は一度バックした。しかしそれから前進。しかしそれでも取れると思った。落下点には入れるような動きだったのだ。全力でダッシュしてきたわけではない。しかしボールはダイビングするその前に落ちた。
目測を誤って全力でダッシュしてきたわけではない。ゆっくり前に出てきたから取れると誰もが思っていた。だが、最後にはダイブが及ばない。
少なくともこの神宮に慣れていないチームでもないし、さらに出場機会が少ない選手でもない。これで２者が還って２−０とされた。
さらに青山は３回の表、先頭の浦口君を四球で出すと送りバント。続く主将の与倉君がレフト線に２塁打で３−０。
青山はここで投手を常廣君に替えた。そしてこの３回１死2塁から登板した常廣君はなんんとその後は無安打１四球で９回まで投げ切ったのだ。
駒澤は６回から東田君、最終回はエーアン君とすべて２年生でリレーした。最終回はエーアン君が３安打を浴びて２失点だったが３−２で逃げ切り、最終カードで優勝の可能性のあった青山から勝ち点１を奪いその望みを絶った。
青山は結局この試合を被安打２で与四死球３、失策１でありながら３失点で敗れた。青山は８安打を放ち４つの四死球を得たが、無死１塁と１死１・２塁から併殺を２つ喫していた。
だが、それ以上に感じたのは専修の選手たちがバックネット裏から見ている駒澤の選手と３塁スタンド上段から中央の選手たちの目を集める青山。
試合の流れというより、次の試合が残っている駒澤とこれに勝っても他力本願の青山との多少の違いが出たように思う。そしてその差は１部の経験値。
2020年の秋、コロナのせいで入替戦なしの無条件１部昇格を果たした青山。その時の１部は最下位が３チーム同率という厳しい状況だった。プレーオフを行って入替戦が行われていれば・・・
そしてその次の2021年の春季には県岐商の佐々木君が入部してきていきなり主力を打って大活躍。その時、2校降格で落ちたのが東洋と立正、上がったのがプロ入りした赤星君を擁した日大だった。
コロナによっていろいろな普通の状況が変わったこの数年。運も不運もある。しかし、この青山はその運を活かして優勝かと思われたが、さすがに戦国東都ではそうはいかなかった。本当の戦国を知っているチームかどうか・・・
今回はそれが出たように思える。
2022年10月25日 東都大学野球秋季リーグ戦秋季リーグ戦 第5週3回戦（於 明治神宮野球場）
駒澤
201 000 000 = 3
000 000 002 = 2
青山学院
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