これまで勝ち点を落としていないのは明治と慶應。その両校がこの第5週で対戦した。しかし、明治は無敗、慶應は東大と法政に1つずつ負けている。もし、明治が慶應に2連勝し、同週に行われる早稲田が立教に1つでも負ければ最終的に勝ち点4で並んでも勝率の差で早くも第5週にして明治の優勝が決まる。
勝ち点3は同じでもこの2敗の差は大きい。そういう意味では慶應は勝ち点5の完全優勝を狙うしかない。どのチームにも1敗したとしても勝ち点5さえ奪えば優勝できる。逆に勝ち点4での勝率争いになればすでに2敗である以上完全に不利である。
慶應の先発はエースの増居君。明治は1回戦では最近ではもっとも安定している村田君ではなくかつてからのエース格だった蒔田君だった。
明治はエースが誰なのかがはっきりしない。それだけチーム内競争が激しいとも言えるが、この春の優勝校の明治が秋に投手ローテーションがはっきりしない。初戦の東大戦では1回戦が村田君で引き分けると2回戦が2年生の藤江君だった。2カード目の早稲田戦は村田君で完封勝ちのあと2回戦も先発は藤江君だった。そして3カード目の法政戦では蒔田君が初戦で先発し勝ち投手となった。
明治の投手陣は3年生が主体だ。今日の蒔田君の先発がどう出るか・・・
慶應の先発は増居君しかいない。しかも先週の土曜日は完投勝ちし3回戦の月曜日も先発して何とか粘り勝っている。
しかし、これだけ投げて中四日での登板だ。明治は先週は抜けだった。
その不安がとおり明治は1回の表、2死から宗山君と上田君との連続長打で幸先よく1点を先制した。しかし増居君はこれからが粘投した。2回は三者凡退。3回は2死から飯森君を安打で出したが俊足の飯森君だ。3番の宗山君を打席に迎えて飯森君を牽制で刺した。
4回は三者凡退。5回は四球と安打で2人の走者を出したが凌いだ。
一方の蒔田君は3回の2死満塁、4回の1死2塁のピンチをしのいでいた。この最後はともに右打者に対してスライダーで空振りの三振を奪った。
5回は先頭の投手の増居君に内野安打を打たれる。3回4回のピンチをしのいだ蒔田君に絶対に打ち取るはずの投手にこのような内野安打を堪える。
三振、安打で廣瀬君を三振で2死1・2塁。しかしここで辛抱が効かなかった。萩尾君にはレフトオーバーの2塁打を打たれると四球のあと古川君のタイムリーで3−1と逆転された。
ここで蒔田君から渡部慎之介君に替えたが6回につかまって2死1・2塁から萩尾君に左中間スタンドに運ばれ6−1。ほぼこれで勝負は決したと思った。
増居君は7回1死から連打を浴びるも後続を断ち、その裏2死2塁で打席に廻ってきた。当然代打だろう。7安打失点1なら先週からの疲労も考えれば上出来である。しかし彼は打席に立った。そして凡退した後8回にマウンドに立ち村松君に安打を打たれると1死後宗山君にライトスタンドにライナーで叩き込まれた。ここで慶應は増居君から橋本達也君へリリーフ。その橋本君は被安打1、奪三振3で後続を断ち6−3で慶應が勝利した。
なぜ慶應は増居君にこだわる必要があったのだろう。1失点完投を狙ったのだろうか。そもそも最初からスピードも出ておらず本来の投球ではなかった。それでも明治打線を相手にここまで押さえたのはさすがだと思った。チームの勝利を考えれば7回で終了、8回9回は橋本君という流れでよかったはずだが・・・
投手起用は難しい。蒔田君にかけた明治、増居君にこだわった慶應。どっちも失敗だったが打線の違いが勝利を分けた。ただ、チームとしての勢いは慶應についたように思える。
しかし明日の明治は本来なら第1エースの村田君でくるだろう。慶應は1年生の外丸くんだろうか。明日は継投戦になるはずだ。そして優勝を占う大勝負となるに違いない。
2022年10月15日 東京六大学野球秋季リーグ戦 第6週1回戦(於 明治神宮野球場)
明治
100 000 020 = 3
000 033 00x = 6
慶應義塾
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