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2022年10月09日21:18

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神宮スズメの独り言2022秋〜32〜エースへの信頼

東大は今日も大いに戦った。昨日は鈴木健君から継投策がはまって初回の2失点を追いついた。最後は力尽きたが、昨日は投げなかった井澤君が満を持して先発登板。プロ志願届を出した東大のエースだ。そして立ち上がりも上々で4回まで被安打3で四球は1、無失点だった。安打のうち2本は内野安打とエンドランでぽっかり空いた三遊間をボテボテのゴロが抜けていったものだ。決して打ち込まれたわけではない。

しかし立教の先発はドラフト1位候補の荘司君。序盤から切れのいいスライダーが冴えて三振を奪っていく。初回は1つ、2回は3つ、3回は2つ。そしてこれまでに打たれた安打は1本だけ。しかしそれが東大のエース井澤君によるものだった。

立教は5回の裏、先頭の戸丸君がレフトスタンドギリギリに本塁打を打ち込んで先制。これまでは黒岩君がいつも先発だったが、昨日は決勝点を挙げる8回に黒岩君に代打が出されたために途中出場だった戸丸君が9回には打席が回って今季初打席で安打を放っている。

そして今日は第1打席こそ凡退したが、2打席目で本塁打。溝口監督の采配が当たった形で立教が先制した。しかしここからが今季の東大の真骨頂だった。

1死3塁の形を作るのが東大の作戦。無死で走者を出し犠打を使って3塁まで到達してもすでに2死になっている。そこをどうするか。長打力のない東大は当然盗塁にそこを見出す。

昨年は春秋ともに盗塁数1位は東大。この春は明治が積極的に盗塁を仕掛け1位となり、今季も東大は現在1位ながら明治とは1つ差で競り合っている。

しかし、この重要な場面ではある意味見え見えの作戦ながら仕掛けてきた。

7回。先頭の別府君が四球で出るとすかさず盗塁。そしてライトへの犠飛で1死3塁とすると代打の赤井君の犠飛で同点としたのだ。

これは荘司君も悔いが残るだろう。2球で追い込みながら3球目のストレートが甘く入った。本来はこのボールは見せ球で4球目の変化球で三振を取りにいくはずだったと思う。しかし、このボールがストライク近くにきて赤井君の打球は外野まで飛んだ。立教が戸丸君の本塁打で挙げた先制点に対して東大には無安打で同点にされた。

立教は7回の裏、1死1塁で荘司君に打席が回って代打が送られたが併殺に打ち取られた。そして8回からは沖君がマウンドに上がった。磐城高校でセンバツ出場を決めながらコロナで中止となり夏の交流戦で甲子園を経験した沖君。ボクは3月末で移動となる木村保監督の最後のシートノックの前日に偶然磐城高校を訪れていた。センバツが中止になったため例年行っている震災被災地めぐりの日程を早めた結果である。もちろん誰もいないグランドだったが、県立高校でありながらネット裏にスタンドまである。さすが県内屈指の進学校でもあり甲子園準優勝校でもある磐城高校。

この最後のシートノックのニュースは後日福島民報で知った。ホテルに無料でおいてあった新聞だったが、大きく取り上げられていた。福島民友も同様だった。だからこそボクは沖君には思い入れが大きい。コロナで甲子園を失った世代でもあるし、その中でも21世紀枠でのセンバツ出場を楽しみにしていた高校野球ファンやOBは多かったはずだ。

その沖君はクローザーとして使われ今季は安定した投球を見せている。そして立教は8回裏に2死3塁から道原君の3塁打で2−1と勝ち越した。球場からため息が漏れた。これで立教か・・・・

しかし井澤君はその後連続四球で満塁とされながらも追加点は許さなかった。

ここが今年の東大は違うところだ。9回の表、1死から林遼平君が安打で出塁するとすかさず代走を送る東大。伊藤翔吾君、今季はこれまで3度代走に起用され2得点を挙げている。開成高校出身の快速ランナーがあっさり盗塁を決めると中井君のセンター前に運んで同点。

東大が同点に追いつくのはこの試合2度目。それが9回だったのだ。試合時間も短く第2試合がお目当ての観客も交えて一緒に盛り上がる東大。

しかし、井澤君は終盤にはもうばてていた。8回も道原君の3塁打で勝ち越された後も山田君を申告敬遠したものの、ここで勝負だった柴田颯君も歩かせている。結局は凌いだがもうきつかったのだろう。9回は1死から四球を出すと、もうボールが上ずって右打者に連続死球。満塁とされて道原君には1球もストライクが入らずストレートの押し出し四球で勝負は決した。

あれだけ投手に打順が廻ると代打を送って攻撃的にいく東大の井手監督。しかし今日は井澤君と心中という感じだった。最後の秋、そしてドラフト1位候補との投げ合い。あれだけ継投にこだわる井手監督が最後に見せたエースとの信頼だったように思えた。

応援ありがとうございましたとスタンドに向けて頭を下げた東大の応援部員とチアリーダーにブラバンメンバー。これに対して大きな拍手が沸いた。

荘司君や山田君は単なるドラフト候補ではなくドラフト1位候補だ。道原君もプロ志願を出している。そんなチームを相手に1回戦は4−2、今日は3−2での敗戦だ。これがあるからこそ東大のいる六大学は面白いのだ。



2022年10月9日 東京六大学野球秋季リーグ戦 第5週2回戦(於 明治神宮野球場)
東大
000 000 101 = 2
000 010 011x = 3
立教

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