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2022年09月18日17:32

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大いなる欺瞞・その1【大敗北は「熊いじめ」のアピールなのか】

■ロシア軍「パニック状態で逃げ出した」か 軍支える貴重な装備を放棄
(朝日新聞デジタル - 09月15日 21:28)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=7112670

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中世末期、イギリスでは残虐で趣味の悪いギャンブルが大流行していた。

荒ぶる熊を半身、頑丈な綱で大木に縛り付けておく。猛犬をけしかけ、動けない熊を噛みつかせる。

ひと噛みふた噛みし、犬が無事に帰ってきた→犬に賭けた方が勝ち。
熊が束縛を破り、犬を叩き殺した→熊に賭けた方が勝ち。

しかしながら、縛り方が甘く、時には熊が縄を引きちぎり、犬だけでなく、賭けをした人を食い殺すこともあった。

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大変不謹慎な喩えになるかもしれないが、この熊がロシア、犬がウクライナ、けしかけているのが、賭けをしている人で、彼らこそ米欧直接のウクライナ・ロシア戦争の当事国に見えて仕方がない。

■イジューム攻略戦が大きい■

6月、東部ドンバス地域の要衝・セベロドネツクを大激戦の末、ロシア軍が陥落させた。
その後、ウクライナ軍は南部へルソン奪還を見せかけ、ロ軍の主力を南部に回さざるを得ない状況に追い込み、揺さぶりを掛けた。

ロシア軍がセベロドネツクで大攻勢を掛けているときに、罠にハマったのはロシアだと書いた。ウクライナの東部最大の要衝はセベロドネツクではなく、スラビャンスクとクラマトルスクで、ここを陥落させない事にはウクライナは幾らでもしぶとく持ちこたえるし、ここを基盤に猛反撃するかもしれないと述べた。

ウクライナ軍は南部へルソン奪還を見せかけ、ロ軍の主力を南部に回さざるを得ない状況に追い込み、揺さぶりを掛けたという点では見込み通りだったが、スラビャンスクで最終決戦という読みは外れた。

ここでウクライナはアメリカからハイマースを得て、大攻勢の為の時間を稼ぐ。

当初、日本や韓国に配備されている射程距離約300kmの戦術ミサイルシステムのエイタクムスの供与が予定されていたが、流石にロシア本土やベラルーシにも届いてしまう事から、これは見送られた。

しかしデンマークから供与された射程距離約300kmのハープーン(注・写真)を改造し、対艦だけでなく、その他にも使用出来るように改造した可能性がある。これは私一人の推測ではない。ISW(戦争研究所)などでもそのような分析があった。ゼレンスキー大統領は時間を稼いでいる間、100万人を増員する手配をしていた。

漸くこの大攻勢の準備が整ったのだろう。

今までハルキウ州の拠点・イジュームをなかなか陥落させることが出来なかった。しかし満を持して烏軍はイジュームの西から総攻撃を開始。東部の防衛線を突破し、イジュームはそれまでスラビャンスクから北上してくる烏軍を迎撃する陣形を取っていたが、背後から攻撃され、呆気なく陥落してしまったのである。

イジューム攻略戦は烏ロ戦争でホストメル空港戦、キーウ攻略戦、マリウポリ攻防戦、セベロドネツク攻防戦と比肩し得る大きな戦いだったのではないだろうか。後世、そのように評される気がしてならない。

■無謀無策ともいえるプーチン政権の戦術は何を意味するのか■

ウクライナを東部から包囲殲滅するような動きを見せていたロ軍が各地で兵站がズタズタとなり、南部では2万数千人のロ軍が降伏交渉まで進めているという情報もある。だがプーチン大統領は相変わらず強気である。烏ロ戦争で最も詳細に述べている動画のひとつに「新・防衛研究チャンネル」がある(YouTubeでも視聴可能)。自衛隊の近藤氏(勿論、仮名だろう)、監修はジョージタウン大学の研究員らしい。

YouTubeの中にはバイアスの掛かったひどい動画もある。高評価だからといって、まともとは限らないのも少なくない。そのような中、理性的に坦々と述べられて来たこの動画ですら、最近ロ軍の戦術について、「バカげた」、「愚かしい」といった表現が目立って来た。常識的に考えていたら、多分このような表現になるのかもしれない。

しかし常識を捨てて、プーチン大統領の立場に立ち、逆転の発想をしてみる必要があるのかもしれない。

そんな、馬鹿なと言われそうだが、ここまで来たらプーチン政権は勝つことは狙わず、負けを狙っているのではないだろうか。それも出来るだけ惨めな負け方をするためだ。

そのためにはアメリカを増長させ、引きずり出す方が良い。

歴史を紐解けば、100%正規軍同士の戦いといえば、戦後直後のイギリスVSアイスランドのタラ戦争、イランイラク戦争、後は情報戦も交えた紛争がメインだったように考えられる。湾岸戦争とイラク戦争では確かに軍事強国(=アメリカ)が勝利した戦争だったが、イラク戦争ではインフラに壊滅的な打撃を与えてしまった事で、その後米軍はイラク人に随分恨まれた。

当時のパウエル元米副大統領が「勝利後、統治することを考えると、最低でも50万人は必要だ」と主張したが、却下され、ラムズフェルド米国防長官は約30万人を動員して、戦いそのものは勝利したが、その後はパウエルの云う通りになってしまった。

折角サダム・フセイン大統領親子の身柄を確保したのだから、大量破壊兵器の在処について聞きだせばよいものを、特に2人の息子については、問答無用に殺している。サダム・フセインの処刑も執行人が黒いマスクを被るという、何とも異様な処刑だった。その後、大量破壊兵器はあったのかについて、アメリカは一切口を噤み、国際世論から批判されることとなる。

軍事的な敗北が却って、政治的・外交的勝利をつなげられる時代になって来たのだ。

こうした事をプーチン政権は狙っているのではないだろうか。

次回は日本では女性までもが、ヒステリックに「プーチンは」と呼び捨てですが、このような国は世界にどれだけ実際のところあるのか、実際にプーチン政権のその狙いは通じそうなのか、それらについて触れたいと思います。

最後まで御覧頂きまして、ありがとうございました。

(続く)

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