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2022年08月30日17:53

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夜の読書

 人には言えない夜の読書、なんて書くとだいたいはいやらしい小説か雑誌を読んだのだろうと思われるだろう……。私は週に1夜か2夜、憩いたいがための本を読んでいる。簡単に読めて、かつ自分をなんらかの方向に再生してくれるような本。
 昨夜は中村安希の『Beフラット』(図書館本)を全体の6割までは精読、残りは飛ばし読みをして、ずいぶんと慰められた。わかりやすく言うと、彼女は高スペックな人間にもかかわらず敢えていい加減な人生観を装ってみたり実際行き当たりばったりな生き方をしている。派遣の仕事をテキトーにやりながら、国会議員(新人が大半)のインタビュー取材をしていた頃の話で、議員の政治観や日本観を紹介しつつも、書きたいことは自分の過去と現在の虚しさであったり、でたらめさであったりする「承認欲求」満載の私的ルポだ。こういう女性は私にとって、世の中で最も恐ろしい人間であり、他方、最も惹かれる女である。
 開高健賞を受賞した『インパラの朝』を読んだときはびっくりした。世界50カ国(ほとんどが低開発国)を3日分の下着とタンポンとバファリンを詰めた小さなリュック一つで旅した20代の旅行記で、沢木耕太郎の『深夜特急』より30倍は危険で冒険的なバックパック旅で、「世界の果てに行く」「地を這うように旅する」とはまさに彼女しか出来得ないと感じた。素手で荒くれ男10人をなぎ倒す、というような非現実に近い。
 学歴も能力もある人間が敢えてジョーシキの壁を乗り越えて好き勝手に生きる様、というのは、夜の私にとってはロマンである一方、「ああ、俺は一応家も貯金もあって助かった」などと安心出来たりもするのである。なんて俺は卑小な人間だろう。

 先週にメルカリで買った大型の椅子が届いた。そのために床をワックス掛けしたり、処分すべき物を片付けたり、これまで使っていた椅子をクルマに運び入れたりと(明日、焼却場へ持って行くため)、忙しく立ち回っていた。
 その間、時々メールチェックをしたり、今日の大谷さんはホームランを打てたかなと日刊スポーツのHPを見たり、メールの返信をしたりで、ぼぉっとしている時間はほぼゼロに近かった。
 めちゃ面倒くさいメールが一通届いた。来年の展覧会に向けて「敗戦までの日韓関係」をまとめ、パネルを作成し、さらにパンフレットとHPを一緒に編集しないか、と。どう応えたらいいのだろう、しばし迷った末、「私の痛いところをつくねぇ」などとおちゃらけた上、やる気はある、とだけ書いて送った。
 出来ればそっとしておいて欲しい、というのがホンネ。自分は懶惰な性格なので。
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