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2022年08月14日19:50

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「被害は5分の1に、戦果は6倍に」

 昨夜はNHKスペシャル「1942 大日本帝国の分岐点」 を、中学生が視聴覚教室でテレビ授業を受けるかのように、真面目に見た。番組の最後に知ったのだが、続いて本日、後編が放映されると。また見なきゃいけないのか(笑)。
 大本営発表は、「被害は5分の1に、戦果は6倍に」の方針で、終戦まで国家大翼賛放送をしていた、という。こういう”事実”がわかっているのなら、なぜ教科書に書かない? 
 中学高校の歴史でさらに私が怒りを覚えるのは、太平洋戦争で死んだ軍人・軍属は300万人と(教科書で)習ったが、先月に読んだ吉田裕氏の力作『日本軍兵士』に拠ると、全体の6割が餓死ないし栄養失調が起因する病死、1割以上が自殺もしくは同僚の兵士による殺人で、私たちがごく普通に戰死で思い浮かぶ「米軍(&中国軍&ソ連軍)相手に戦って散った兵士」は2割ちょっととのこと。この実態は根本的に”靖国”の概念を覆すのではないか? また天皇を頂点とする神道の教えが、実のところは「戦果は6倍に!」的詐欺商法ではなかったのか、という疑念を抱かせるものだ。
 この3年、私は昭和20年7月に亡くなった詩人の遺稿と向きあってきた。客観的な考察をするため、大正時代から昭和20年にかけて出版された本を読んできた。詩人は大本営発表を真に受けて、ミッドウェー海戦で海軍が勝利したことに感銘を受けている。詩人に限ったことではない。共産主義者以外の日本人、つまり9割5分の日本人は、連戦連勝に万歳し、日本は神の国であることをアイデンティティとし、そのことに疑義を挟むヨタ者がいると特高に告げ口をしたりしてニッポンの正義を一人ひとりが守ったのである。
 詩人の遺稿を読みながら、私は「騙されちゃってお気の毒様。今の時点から見たら、申し訳ないけど、馬鹿みたい」などと思うのである。政府による思想教育や世論操作によって、この時代に生きた人の9割5分はお馬鹿なのである。
 現在は言論統制もないし、真っ当な教育もなされている……。とは、敢えて思わない。(学業成績が優等だった)編集者が、日本はどこの国と戦争をしたのか、そこで日本人・相手国人が何人くらい亡くなったのかというようなおおよその基本知識さえ知らずに学業を終え、社会人以降も学ぶ機会などほぼなくて、現在に至っているのだから。藤原道長が左大臣か右大臣かどっち? という日本史のテストに出るようなことなら知っているだけと、いう言い訳がいかに情けないことか。

 今朝、隣町のリサイクルショップ、と言ったら今の時代オサレだが、実態は屑屋のようなところに行って、昭和40年頃に作られた小物入れを買った。ちょっと部屋を整理したかった、という理由だけである。
 何かきっかけが欲しかった。
 それで千円を出した。整理の達人にコーチングを受けたい。その代わりだと思えば安いもんだ。気が変わったら、木製だから燃しちゃえばいいんだし。
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