「カナダ金貨の謎」
有栖川有栖
講談社(講談社NOVELS)
民家で発見された男性の絞殺体――殺害現場から持ち去られていたのは、一枚の金貨だった。
完全犯罪を計画していた犯人を、臨床犯罪学者の火村と推理作家の有栖川コンビがロジックで追い詰めていく。
火村&アリス、国名シリーズの第10弾。
5話の中短編が収録されています。
短編「あるトリックの蹉跌」がありがたすぎてあばばばば。
あっと驚く結末にも大爆笑。
この二人の今も続く関係の始まりが、現在になって詳しく読めるなんてね。
こんなんなんぼあってもいいですわ……是非何度でもトリック消化に使っていただいて……(こら)
オタクは何回でも「アブソルートリー」言わせたい人間なので……。
しかし「46番目の密室」を初めて読んだ時のことを思い返すと、いや月日の経過にビビり散らかします。
今もシリーズを書き続けてくださる著者に、感謝しかない………!
表題作は倒叙形式ですが、やはり職人芸が光るというか。
分かってみれば成程それしかない、というトリックの書き方が上手いですよね。
「トロッコの行方」も、犯人の動機が素晴らしく上手くて、一気呵成のラストに感嘆。
今回も楽しませていただきました。
(古)
ログインしてコメントを確認・投稿する