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2021年11月20日23:40

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未解決事件を解く鍵はあるのか【中山裕貴さん失踪事件・その1】

未解決事件を解く鍵はあるのか【中山裕貴さん失踪事件・その1】

コロナ禍がなかったら採り上げたかった事件のひとつである。令和元(2019)年8月25日、岡山県津山市在住の会社員・中山裕貴(なかやまひろたか)さん(当時19歳)が勤務先を無断欠勤したまま、行方不明となった。自発的な失踪にしては、不自然な点が多く、第三者の関与の可能性が捨てきれない。

この事件、東日本はこれから一か月もしないうちに、小倉美咲ちゃんが失踪し、そちらに関心が向いてしまったが、恐らく中国地方のメンバーの皆さまの間ではこちらの方が有名かもしれない。

本来であれば家事都合等がなかったら、9月に取り上げる積りだったが、遅れに遅れた。だがこちらのSNSの運営局では依然としてニュースに出てこないので、2年というちょっと半端ではあるが、一日も早い解決を期待して、取り上げることにした。

中国地方のメンバーの方はご存じだと思うが、他の地域のメンバーの方にも広く周知したいという希望で、コロナ禍で関心が薄れてしまったきらいもあるため、先ずは事件概要から述べる。

■事件概要■

中山裕貴さんは高校卒業し、職場にほど近い津山市のアパートで独り暮らしをしていた。社会人とはいえ、高校卒業したばかり。会社の上司が心配し、裕貴さんの母親の順子さんに電話した。

順子さんが彼のアパートに行き、部屋に入ると、洗濯物が散乱していた。テーブルの上には小銭が無造作に置かれていたという。

慌ててスマホとわずかなおカネを持って何しに行ったのかといぶかしみ、順子さんが彼のスマホに電話するが、一向につながらない。家出をする理由が全く見当たらないことから、彼女は警察に届け出た。

警察の捜査で鳥取方面に行ったことは間違いないようである。しかし自発的失踪にしては不可解なところが見受けられ、依然として裕貴さんの行方は分かっていない。

■中山裕貴さんについて■

裕貴さんは県内の工業高校を卒業後、土木関連企業に就職し、独り暮らしを津山市で始める。保守点検業務を任されていた。身長は176cmでスレンダーな体型。最も接する機会が多かったという上司の山形鶴二さんは「新入社員でもあるので、責任あるような仕事はさせていなかった。先輩について、一生懸命やっていたような状況」と説明している。


失踪時の服装は彼にとってはプライベートではお気に入りの服装だったと母親は語っている。部屋には就職祝いの6万円の入った封筒、地元の銀行口座に彼は80万円の普通預金があったというが、引き出された形跡はない。

実際、高校時代の友人、福岡 航さんと失踪数か月前に食事をした時に、裕貴さんはおカネを貯めてボーナスでクルマを買うんだと話をしていた。福岡さんの証言では裕貴さんはこの世代としては珍しくSNSはしていないが、オンラインゲームは好きだったようだ。

ボーナスでクルマを買いたい・・・。少なくとも仕事が嫌で、いつ辞めようかと思っている人であれば、こんな話題は出てこないはずだ。

なかなか金銭感覚は堅実な青年である。仕事も嫌がっていた感じは伝わって来ない。ますます自発的に失踪する理由が見当たらない。

■不可解な行動■

失踪したとされる8月25日の15時(注・拙稿では時間の表記は全て24Hで行います)、鳥取県の県境に位置し、新見市にあるJR新見駅の防犯カメラに彼が映っていたことを岡山県警(以下、県警とします)が把握している。

彼の居住地から最も近い駅は東津山駅(※写真の駅舎)である。新見駅まではつごう2時間かかる。

まだある。彼は雨天で無い限り、普段軽快車で駅に行き、そこから鉄道を利用していた。しかしこの日はなぜかアパートの駐輪場に自転車を置いたままなのだ。

この日は好天で昼間は矢張り30℃越えの残暑日だった。母親は基本的に息子は雨天でなければ自転車で駅に向かったはずだ、と県警に説明している。

更に彼は新見駅で、鳥取県の江尾(えび)駅までの特急券、乗車券を購入していることも判明した。

この江尾駅には防犯カメラはない。それゆえ彼が下車したかどうかは確認出来ない。しかし、周辺のコンビニで弁当を購入したことは電子マネーの履歴から判明した。

母親によると、江尾駅は裕貴さんにとって、今まで行ったことがない駅のはずで、更に東津山駅からは4時間は掛かることから、行く理由が見当たらず、不審に感じている。

彼の行動はこれ以降、残念ながら全くつかめていない。江尾駅近くから大阪・東京への高速バスは確かにあるのだが、それだったら津山にだって小田急系の高速バス路線があるはず。更に隣の岡山市に行けば、新幹線にも乗れる。ということで、わざわざ4時間も掛けて江尾駅に行き、そこで高速バスを捕まえる理由が分からない。

最大の疑問は彼の母親が訝しんでいる通り、何の目的で土地勘のない江尾駅周辺に普段堅実なはずの裕貴さんは無断欠勤をしてでも行ったのかということである。

県警が公開している情報は少ないが、公開している情報と識者たちの意見から蓋然性の追及に次回は迫ってみたい。

最後まで御覧頂きまして、ありがとうございました。

(続く)
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